ハジメの一歩〜ビーシュリンプ編〜


熱帯魚や水草をはじめてみたいけど、何から揃えれば良いか検討がつかない、
種類が多すぎて違いが分からない、そんな悩みにお答えするコーナーです。
今回は大人気のビーシュリンプ用の、当店お勧めのセッティングのご紹介です。
底床
お勧めはアクアソイル。こちらは当店でも実際にメインで使用している底床で、他のタイプに比べて安定して稚エビの成長が確認できます。ただミネラル分が不足しがちになるのでモンモリロナイトの使用がお勧め。溶出スピードがゆっくりで急激に水質を変化させることが無い為、かなりの量を水槽に入れても悪影響を与えません。また外側から徐々に崩れてきますので、受け皿などに持って水槽内にセットしましょう。
底床については諸説色々ありますが、当店で最も成績が良いのはやはりアマゾニア。
こちらにミネラル添加剤となるモンモリロナイトを併用したものが、ベースとなります。
フィルター
最も気をつけたいのがこのフィルターと水温維持の部分。当店のお勧めは
適合水槽サイズの1ランク上の外部式フィルター + エアーリフト式のスポンジフィルターの組み合わせ。

60cmスタンダード水槽であればメインフィルターにクラシックフィルター 2215コンフォート LEX パワーフィルター、補助フィルターにブリラントフィルターシリーズがお勧めです。

ろ材はサブストラットプロシリーズがお勧めです。また外部式フィルターを使用する場合は
サブフィルターを使用し、サブストラットラージ等で大きなごみを越し取る2段階構成とすれば濾過のメイン部分に手を加えずに清掃を行えるのでお勧めです。

また吸い込み口にはディフューザーを使用して、エアーレーションを行うのも効果があります。

2215とダブルブリラントフィルターの2点は60cmクラスであれば最低でも揃えたい所。
欲を言えばさらにサブフィルターと上部式フィルターも用意すればより完璧です。
吸水/排水のオプションとしてはスポンジフィルターは必須となります。ディフューザーはエアレーション効果が高くお勧めです。
ヒーター・クーラー
高水温及び、水温・水質の変化を嫌いますのでフィルターと共に万全を期したい部分。
夏は最低でも冷却ファン、できればクーラーは必ず用意したいところです。

万一の誤作動も怖いところ。通年を通してヒーター、クーラーとも設置し、定期的なメンテナンスと動作チェックを怠らないよう気をつけましょう。
暑さに対してはとかく弱いので、安全を取るならクーラーとファンの2段構成がお勧め。
万一のクーラーの故障の際にファンが動作し、水温が危険水域に達するのを防ぎましょう。

照明
2灯以上のライトを使用すると、水草の成長スピードが良くなり、結果として水質の安定化に繋がります。
またウィローモスサルビニア等は新芽や根が稚エビの餌となり、隠れ家ともなります。
照明は2灯式であれば十分です。光量や発熱量を考えると値段は高くてもインバータータイプがお勧めです
水草
エビをメインにすえるとウィローモスサルビニア等の浮草、ミクロソリウム等がメインとなります。
これらの水草は新芽や根が餌となりますので、植物質の補給にも最適です。

ほかにハイグロフィラの仲間やアナカリスマツモ等は餌としてはやや固めですが、
丈夫で成長が早く、水質浄化の効果が見込めるのでお勧めです。
ビーシュリンプ用としては最もお勧めなのが上記3種。暗い環境やCO2無しでも問題なく育ち、餌ともなります。
こちらの3種は成長が早く、水を浄化する効果が高いです。増えすぎたら適当に間引いて捨ててしまいましょう。
基本的には雑食性で動物質・植物質問わず様々なタイプの餌を食べます。同じ餌ばかりをやっていると成長が鈍い個体がでてきますので、様々な餌をローテーションを組んで与えることが重要です。

湯通しした野菜も好んで食べますが、残留農薬の危険性があります。プレコ用の餌を流用したり、好んで食べる水草を入れれば植物質の補充は十分ですので、確実に安心して使用できる野菜が安定して手に入るので無ければ危険性を承知してまで使用するメリットは少ないです。

また給餌については一回の量を少なく、回数を多くした方が断然お勧めです。
タブレットタイプであれば小粒のもので5〜10粒、パウダータイプであれば耳掻き一杯程度の餌を
1日2〜3回と言ったパターンが食べ残しも少なく、餌の量も一度の給餌量の調整ではなく、給餌回数を多くする方がお勧めです。

昼間ご不在の方はフードタイマーを活用しましょう。
お勧めはエーハイム製品のもので、内部にファンが搭載されており、湿気による餌の品質を
悪化させることがありません。

他種用の餌を流用する時は、栄養の偏りに注意。特定の餌ばかりを与えていると
いつまでたっても成長しない個体が出てきてしまいます。

バクテリア剤
ビーシュリンプはかなりの大食漢。1匹1匹は小さいとは言え、数が増えれば当然排泄物の量も相当のものになります。たまりすぎた排泄物は雑菌の温床や水質悪化の原因となりますが、底床掃除は水質の大きな変化を招く為、できれば避けたい所。

バイコム 21PD
バイオカルチャー 1000のような脱窒効果のあるバクテリアは排泄物やヘドロ状の固形物の分解を助ける働きがありますので、底床掃除の代わりにこのようなバクテリア剤を活用しましょう。

また調子が崩れ、毎日ビーシュリンプが死んでしまう場合、バイコム 78バイオカルチャー 2000と言った硝化菌タイプのバクテリアと併せて規定量よりも多めに投入すると復調させることができる場合があります。かなりの荒療治ですが、リセット以外では最悪の事態を避けることができる数少ない方法の一つですので、万一の際の選択肢としてお勧めです。
有機物の分解に効果のある脱窒タイプのバクテリアは水換え毎に使用し、日頃から溜めないようにする事がコツ。。
最終手段とも言えるバクテリア剤の大量投入は、水中の酸素を消費しますので、エアレーションは必ず強めにかけましょう。




添加剤
添加剤
エビの外骨格の主成分であるキトサンを配合した繁殖促進 S―1等が代表的です。また溶解性を高め、より迅速なミネラル分の添加が可能になった即効性モンモリロナイトや、あらかじめ水溶液化したえび、踊る活性水。等があります。
バクテリア剤がビーシュリンプが死ぬのを防ぐ保険の役割に当たるのに対し、このタイプの添加剤は繁殖を促進する役割に当たります。
一旦増えだすと、遅効性のミネラル添加剤では供給が追いつかなくなることが多々有りますので繁殖促進 S―1と、即効性タイプのミネラル添加剤を1種は最低用意したいところです。
各種添加剤は繁殖活動を促進させるのが目的。
安定した繁殖が可能になり、次の段階として積極的に増やすことを目的としたい方にお勧めです。


レイアウト用品
稚エビ用としては竹炭ハウスシリーズが定番と言えます。また水が淀む部分ができない程度に、ウィローモスこんな面白い製品も出ています。
竹炭ハウスはエビ用のレイアウト素材としては定番で最も人気のある商品。溶岩石は表面が多孔質で濾過能力もあり、
また色合いが黒いことからビーシュリンプの色合いが締まって見える効果があります。
流木は好みのみよりますが、淀みの発生を避けるために単純な形のものを複数組み合わせる方法がお勧めです。
シェルターウッドは中が空洞になっており、点灯時でも中が薄暗いことから、
抱卵個体が好んで隠れます。

水換え
水質を大幅に変化させないことが重要ですので、水換えは少量ずつこまめに行いましょう。
コントラ コロライン等のカルキ抜きを使用するのもお手軽ですが、毎回計量するのがめんどくさい方はダイレクト ビーがお勧めです。
こちらは本体は水槽に引っ掛けぱなしで、必要に応じて水道の蛇口から本体までチューブを引っ張って行くタイプ。
本体もコンパクトで、標準で水量に応じて注水を止めるフロートバルブが付属しており、取り扱いもお手軽です。
コンパクトで便利なダイレクト ビー、拡張性の高さに優れるスタンダードの2機種が浄水器の中ではお勧めの2機種です。
通常ビーシュリンプ水槽ではRO浄水器まで必要となることは少ないですが、都市部などにお住まいで、極端に水質が悪く、
定期的な水換えを行っても状態が改善されない場合は導入を検討してみても良いかと思います。
今回はビーシュリンプ、特に数を増やすことを最優先としたセッティング方法を紹介いたしましたが、
最も重要なのは、水中の酸素量を十分に保つ、濾過能力を強化し、水に汚れが留まらないように環境を整える、水温、水質の急変を避けるの3点で、ここを抑えておけば、育成だけを行うには問題ないことも多いです。

水槽生活の次のステップとして、あなたの水槽にも大人気のビーシュリンプを迎えてみるのもいかがでしょうか?