クーラー・ファン


安定した水温は生物の健康維持につながる

生物たちの快適な環境をつくるということは、水質はもちろん安定した水温を常に維持することです。
急激な水温の低下には、ヒーターを使って温めればよいのですが、
夏の高すぎる水温は、生物にとって多大なダメージをあたえてしまいます。

生物たちにとっての適温に近づけるには、一時的に冷却する必要があります。
そこで登場するのが「クーラー」や「冷却ファン」です。
ともに最大の特長は、やはり「冷やす」ということ。
それぞれに長所があり、上昇する水温を食い止め適温へと導きます。
安定した水温を維持することにより、生物の長期飼育につながり、健康維持にもつながるのです。

高機能・高性能なクーラー

多くのクーラーは単に冷却するだけではなく、設定した水温を一定に保つことができるように作られています(※)。
サーモスタッドのようにセンサーが動き自動でON/OFFを切り替え、設定温度より高くなれば冷却を。
また、ヒーターを接続して併用すれば、適温より水温が下回ると自動的にヒーターに電源が入り、保温維持を行います(※)。
つまり、クーラーを使う時間は暑い夏だけではないということです。
寒暖の差が激しい春秋や冬に暖房による水温上昇と寒さによる水温低下対策など、1年を通して使うことができます。
※一部の商品を除きます。

コストパフォーマンスと設置しやすい冷却ファン

冷却ファンは、強力な風を水面に当てることにより、飼育水を蒸発させて水温を下げる器具です。
いわゆる気化熱を利用したもので、難しい配管やホースの接続などは必要なく、水槽の上枠に簡単に取り付けることができます。
省スペースに設置できるようにコンパクトに設計されているのがほとんどで、蛍光灯と上部フィルターとの間に 取りつけたり、上部フィルターにユニットができるものなどがあり、価格も大変リーズナブル。
小型水槽やメタルハライドランプの放熱除去におすすめです。
※気化熱・・・液体が蒸発する時に必要とする熱量

冷却方式による特長と比較

使用環境によって冷却能力が異なります。飼育生物に対して、水槽の大きさに対して、また設置スペースやコストに合わせて・・・。 それぞれの特長や利点に合わせてクーラーや冷却ファンを使い分ける必要があります。
下記の図は、冷却するためのランニングコストと冷却能力を簡略化して表したものです。
パフォーマンス
  • 冷却ファン 省スペース・省エネルギー!取付け簡単の気化熱冷却装置
    飼育水の蒸発を利用して、ファンを回して冷却する方式です。 装置は、水面に向けてファンを回すだけといったシンプルなもので、ローコスト&省エネルギーで大変リーズナブルです。 ただし、外気温に影響を受けやすいです。
  • ヒートシンク 小型水槽から、配管途中のポイント冷却に便利な省スペースクーラー
    ヒートシンクは発熱した温度を熱伝導性の高いアルミなどの金属に放熱してさらにファンを回転させ冷却させます。
    この性能は熱抵抗によってあらわされ、熱抵抗が小さいほど性能が高くなりヒートシンクの形状や大きさによって決まります。
  • ペルチェ式 多くの熱帯魚が好む25℃前後をキープする、小型水槽向けクーラー
    ベルチェ式とは、2種類の金属や半導体を電極で繋ぎ、電流の大きさや方向を操作することで、片方を発熱させてもう片方を冷却するというベルチェ効果を 利用した冷却方式です。振動音が少なく静かな運転音なのも特長のひとつです。
    ただし、小型で小規模の冷却能力となります。
  • チラー式冷媒 最も高機能で安定した水温管理!幅広い水温設定で多くの飼育環境に適応
    チラー式クーラーは、環境にやさしい特定のフロンガスを冷媒として循環させ液温を変化させます。冷蔵庫にも採用されている方式で、 安定した温度管理が可能です。その能力は非常に高く、大容量の水槽に適しています。
    ※冷媒・・・冷やす熱媒体を冷媒といいます。

クーラーと電力の関係

クーラーの機能とパフォーマンスを知れば、特に気になるのはやはりどのくらいの電気代で運転されるのか・・・。 環境や契約されている電力会社の単価によっても左右されますが、今回は「ZC−100」を例にとり、計算式をもとに1ヶ月当たりの金額を割り出してみました。
●「1日当たりの電気代」算出方法
消費電力(W)×1日の運転時間÷1000×電気代単価
1kWあたりの単価

例)ZC−100 50Hzの場合
1日当たりの電気代 → 95W×12時間÷1000×25円 = 28.5円
1ヶ月の電気代 → 28.5円×30日 = 855円
※上記内容は一例です。環境やご契約内容により誤差があります。

クーラーとポンプの関係

  • 濾過槽 ろ過槽から水中ポンプと接続
    最もオーソドックスな接続方法です。 水中から直接飼育水を汲み上げ、クーラーへ運び込むためクーラーのパフォーマンスをより高める接続方法です。
  • 濾過槽 外部ポンプと接続
    飼育水を汲み上げ、クーラーへ運び込むことでクーラーのパフォーマンスを最大限活かすことのできる接続方法です。
  • 濾過槽 ろ過槽から外部ポンプと接続
    主に大容量のろ過面積を求められる海水水槽使用させられるオーバーフロー式水槽に適した接続方法です。 ろ過槽から汲み上げるポンプに直結し、冷却して水槽内へ送ります。
  • 濾過槽 外部フィルターと接続
    外部フィルターを通すことで、ろ過された水を冷却して水槽へ戻すことができます。
    ※ただし、流量が弱くなるため小型水槽向けの接続方法となります。

クーラー

クーラーはオールシーズン利用可能!

クーラーやファンが力を発揮するのは夏だけではありません。
クーラーを1台用意するだけで、オールシーズン水温調整に使用することができます。秋、冬の温度管理にヒーターとクーラーを併用することで、最適な水温を作り出すことが可能です。
ビーシュリンプなどの水温変化の影響を受け易い生体を飼育されている方や海水水槽をお持ちの方はもちろんのこと、水草水槽をお持ちの方も是非お試しください。

厳密な水温管理に重要!

夏のイメージの強いクーラーですが、秋口から冬場にかけても重要な働きをします。冬には水は当然冷たくなります。
その温度低下を防ぐために冬場必要になるアイテムはヒーターですが、ヒーターの温度設定というのは通常±3℃くらい差が開き、高性能のものでも±1℃という誤差が生じてしまいます。
例えば、水温を確実に25℃に設定しなくてはいけない環境下に住む生体を飼育する場合、この誤差が命取りになる場合があります。
ヒーターを25℃に設定していても、それ以上に水温が上昇する可能性があるからです。そこで上昇した水温を下げてくれる役割を果たすのがクーラーです。クーラーとヒーターを同じ25℃に設定しておくことで、ヒーターの誤差をクーラーの精密な温度設定で調整してくれるわけです。つまり、厳密な温度管理が必要とされる飼育下ではクーラーは必需と言っても過言ではありません。

水温を安定させて魚の病気を予防!
白点病などの病気の大きな原因のひとつとして水温が不安定になっている事が挙げられます。
梅雨や秋口など温度が極端に変わる場合の対策として、クーラーとヒーターを併用し水温を安定させましょう!
照明の熱による水温上昇を防ぐ!
冬に暖房をつけて室内の温度があがっている場合や、照明(特にメタハラなど)の熱が水温に影響を及ぼすことがあります。クーラーを使用することで、予想外の水温の変化にも対応してくれます!
水温が安定しているときは動作しませんので、過剰に電気代がかかる心配はありません。

クーラーの単体です。
クーラーとポンプのフルセットです。必要な配管類も付属しておりおすすめです。
クーラーの動力となるポンプです。クーラーとあわせてご使用下さい。
クーラーの接続に必要な配管セットです。

冷却ファン

価格がお手ごろでお求めやすく、特に夏場に活躍するのが冷却ファン。
機種にもよりますが、冷却ファンを使用することで2〜3℃水温を下げることが可能です。
クリップタイプが中心ですので、設置も容易です。
水槽サイズに応じて数台のファンを併用するのもよいでしょう。

気をつけなければならないのは、冷却ファン用のサーモが必要になること。サーモを併用して、冷却ファンによる水の冷やしすぎを防いで下さい。
また、冷却ファンは気化熱の放射を利用して水温を下げていますので、冷却ファンを使用すると水槽の水の減りが激しくなります。水量には十分注意して下さい。

そして、万が一のトラブル時に備え、予備をお持ちになっておくとよいです。クーラーの予備としてもおすすめです。

エアーポンプ等で水槽内の水を循環させ、水温の偏りを防ぐこともお忘れなく。
冷却ファン単体。サーモとあわせてご使用下さい。
サーモ単品。水温の下がりすぎを防ぎます。
冷却ファンとサーモのセットです。

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