良くある質問と回答〜【ビーシュリンプ育成】
人気の割りにやや難易度が高いと言うイメージがあるビーシュリンプですが、いくつかのポイントを抑えていればそれ程神経質にならなくても飼う事はできます。


今回は初めてビーシュリンプを飼う方に特に気をつけて頂きたい基本的なポイントのご紹介です。
1、ろ過は働いていますか? ろ過はバッチリ! → 2へ 実は… Case 1へ
2、水温は適正ですか? 冷暖房完備です → 3へ 寒暖の差が激しいかも… Case 2へ
3、水質は大丈夫ですか(pH編)? 中〜弱酸性をキープ → 4へ 変化が激しいかな…? Case 3へ
4、水槽内の装飾は? 流木・水草をバランスよく → 5へ ゴチャゴチャしてる… Case 4へ
5、水槽の他の生き物は? オトシン位 → 6へ ネオンテトラとかが沢山 Case 5へ
6、餌の量と種類は適正? 少しづつ回数多く → Case 7へ まとめてやっちゃってる… Case 6へ
 
【Case 1:ろ過能力が不足気味かも】
クリックでフィルターのページへ。 ビーシュリンプは体の大きさの割には大食漢で、食べる分、排泄物の量もかなりのものになります。




またセットから時間が経ってエビの数が増えてくると怖いのが硝酸塩濃度の上昇。特に水槽内で増えるエビは気がつくと硝酸塩濃度がかなり高くなっていることも。



最も手っ取り早いのは定期的な水換えですが、バイコムの21PDナイトレイトマイナス等で硝酸塩を除去したり、浮き草を水槽に導入する等して硝酸塩が溜まりにくい環境を整えることも重要です。


フィルターの増設も効果的ですが、標準で付属しているフィルターパッド等を使用している場合は、サブストラット プロパワーハウスを代表とする高性能ろ材に切り替えるのもお勧めです。
[解決法]
エビ飼育についてはこれに始まり、これに終わると言っても過言で無い程、ろ過能力は重要。外部式フィルター上部式フィルターをメインにエアーリフト式のスポンジフィルター等も併用するのも効果的です。
 
【Case 2:暑いのも寒いのも苦手】
クリックでヒーター・冷却製品のページへ。
クリックでヒーター・冷却製品のページへ。
ビーシュリンプは比較的低温には強いといわれますが、それでもヒーター無しで乗り切れるほど日本の冬は甘くありません。水温の上下が激しいと負担が大きい為、水量と室温を考えて必ず適正なサイズのヒーターを選択して下さい。

お気に入りの個体がいる水槽はできれば、高性能のサーモとヒーターを用い、万一の場合に備えて予備を1セット以上用意することをお勧めします。


またビーシュリンプに限らず、エビにとって夏の高水温は最大の大敵。
ろ過バクテリアの動きが鈍って水質が悪くなったり、水中の酸素量が減って酸欠を起こしたり、高水温のストレスでぱったりと死んでしまったり…とにかく良いことが有りません。

人が汗ばみ始める時期にはクーラーや冷却ファンを用意し、いつでも稼動できるよう万全な体制を整えて下さい。
[解決法]
温度関係のトラブルは気が付いた時は手遅れとなる場合が多いです。対処自体は簡単なので、早め早めに対策を準備しておきましょう。
 
【Case 3:弱酸性で適度なミネラル分がある水が好み】
クリックで添加剤のページに。 弱酸性を簡単に維持できるソイル系の底床に、ミネラル系の添加剤を適度に使用するのがベスト。水質の急激な変化を避ける為、少量ずつこまめに添加するのが基本です。

水質の変化には敏感なので、導入時は可能であれば点滴方式での水合わせを行ってください。

また水換えは、1回の量をできるだけ少なく、回数を多めにする事で水換え毎の水質の変化を最小限に抑える様にして下さい。特に稚エビは水質の変化に敏感です。
[解決法]
水質については急激な変化を起こさなければ劇的な悪影響を及ぼしませんが、長期間不適合な状態が続くと徐々に弱ってくるのも実際です。変化は幅はできるだけ少なく、こまめな調整を心掛けて下さい。
 
【Case 4:アクセサリーは数を絞ってバランスよく】
クリックで洞窟状流木のページへ。 隠れ家ともなり、レイアウトのアクセントともなる流木や石ですが、複雑な組み合わせは淀みができやすく、排泄物や残餌が溜まりがちになってしまうのが考え物。60cm水槽であれば、枝状の流木1〜2点と同種の石を数点程度のシンプルなレイアウトを心がけましょう。

また水草は水質浄化の効果があり、隠れ家や餌も兼ねる為、育成が簡単な種類を中心に入れると効果的です。特に複雑な茂みを作るウィローモスは隠れ家としても優れておりお勧めです。


溶岩石はその多孔質性からろ材としての効果も見込め、またビーシュリンプの紅白を際立たせる事ができるのでレイアウト素材としてお勧めです。
[解決法]
排泄物を掃除する時は水槽内で巻き上がらないようにプロホース等で吸い出して下さい。フィルターのパイプなどを調整し、できる限り淀みとなる部分が少なくなるように調整するのも効果が高いです。

ウィローモスも稚エビの良い隠れ家となる反面、残餌や排泄物が溜まりやすいので石や流木に活着させ、時々取り出して飼育水ですすぎ洗いを行いましょう。
 
【Case 5:エビは魚にとってご馳走】
クリックでオトシン系のページへ。 魚の口に入るサイズは言うに及ばず、飲み込まれないサイズのエビでも頻繁につつかれているうちに弱っていくことが多いです。

オトシンクルスの仲間であれば、エビなどをつつくことも無く餌も共通で育てることが可能です。また同じくらいのサイズのエビ(チェリーレッドシュリンプやインドグリーンシュリンプ)等も当然同じ水槽で育てることが可能です。

またハチェット類などの上層を主な活動域とする種類であれば混泳が可能な事もあります、
[解決法]
エビと魚の水槽を分けてしまうのが最も確実なのですが、水槽を分けることができない場合は魚用の餌を多めに与えたり、流木や水草などで隠れる場所を多くすることで被害をある程度は抑えることができます。
 
【Case 6:動物質・植物質どちらも適量を少量ずつ回数を多く】
クリックでエビ用飼料のページへ。 単体の餌の連用は避け、何種類かの餌をローテンションを組んで与えるのが理想です。またエビは大食漢の割りに餌をまとめて大量に与えると食べ残すことが多い為、フードタイマー等を使用して2〜3時間程度で食べきる量を複数回に分けて与えるのがお勧めです。

栄養バランスを調整したエビ専用の餌も数多く販売されているので、組み合わせに頭を悩ませている方はこのタイプの餌がお勧めです。


野菜なども好んで食べるといわれますが、万一農薬などが残留していた場合に大ダメージを受ける為、自家栽培で完全無農薬のものを調達出来る方以外にはお勧めできません。
また、畑が近い等の理由により、農薬が飛散する可能性がある場合も避けた方が無難です
(人間には全く無害な極微量の農薬でもエビにとっては致命的です)。

[解決法]
元々コケ取りとして投入されることが多かった為か、エビ=植物質と言うイメージばかりが先行していますが、健全な育成を望むなら幅広い種類の餌を与えること必要です。
 
【Case 7:盲点になりやすいトラブル様々】
[その1 セットして間が無い]
ソイルを使用して間もない水槽は、生体がいなかったり数が少なくてもアンモニアや亜硝酸の濃度が高くなる場合があります。基本的な部分ゆえに返って見落としやすいので、新規セット/リセット時には必ず試薬で水質をチェックください。


[その2 酸欠]
エビをメインに据えるのであれば、エアレーションは行いましょう。外部式フィルターを使っているのであればディフューザーを設置すればエアーポンプ無しでエアレーション可能です。またエアーポンプを使用する場合はスポンジフィルターと併用して少しでもろ過能力を高める工夫を行うとより効果的です。




[その3 殺虫剤]
夏の風物詩、蚊取り線香はエビにとってはまさに劇薬。特にエアーレーションを行っている場合は薬剤をどんどん水槽内に送り込んでしまう形になりますので数時間で全滅と言った恐ろしい事態も…。

近くに田んぼや畑がある地域では、農薬散布を行う時期は窓をあまり開けないようにするなどの自衛策も必要になる場合があります。
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