お魚病気辞典


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原因・治療方法

白点病 ・・・早期発見で治療し易い病気

症状

体表やヒレに白い点があちこちに認められます。
病気の初期はこの白点がぽつぽつと認められる程度ですが、重症になると体一面白点虫で覆われます。

原因

・水温の急激な変化
・魚の新規導入や追加、外部からの持ち込み
※水温が25℃以下になると発病しやすく、屋外の金魚やメダカでは梅雨の時期や秋に発病しやすいです。
※水温をやや高め(28〜30℃)にすると白点虫の増殖を抑えることができます。


白点虫(Ichthyophthirius multifiliis)の体表及びエラへの寄生によって起こります。
白点虫は、原生動物の繊毛虫に分類され、ゾウリムシと近縁な生物です。
白点虫の成虫は直径0.5mm程度の円形または楕円形で、その周囲は、繊毛とよばれる細かな毛で被われています。白点虫のライフサイクルは、まず、魚体上で成熟した白点虫は、魚から離脱してシストを形成します。このシストは、ネバネバしたゼラチン状の厚い膜で被われていますので、水槽のガラス面や砂利の上に付着します。そして、シストは細胞分裂を繰り返しながら仔虫を放出します。一般的に水温が高いときは、放出される仔虫の数は多くなりますが、仔虫は小さくなります。
このようにしてシストから放出された仔虫は、寄生するべき魚を求めて泳ぎ出しますが、24時間以内に寄生できなかった仔虫は、体力を消耗して死滅します。また魚に寄生できた仔虫は、肉眼で確認される大きさまで成長します。
白点病の進行が早いのは、魚体から離れた成熟虫がシストを形成して、仔虫を放出するまでの時間が、24時間以内であることです。すなわち、1個の成熟虫が24時間以内に数千倍にも増えるからです。


治療薬・治療方法

仔虫とシスト形成前の魚から離脱した成熟虫を駆虫することを目的に行います。水を半分程度取替えてから薬浴します。白点病は重症になると治療が困難ですので初期のうちに治療することを心がけましょう。一部の薬品は、水を着色させますが、薬効が減少するに従い水の色は淡くなってきます。5〜7日後(グリーンFクリアーの場合は13〜14日後)、魚体に白点がある場合は、水を半分程度取り替えてから再度規定量を投薬してください。また、死んだ魚はそのままにせず、直ちに水槽から取り出してください。


ツリガネムシ症(エピスティリス症) ・・・季節の変わり目、生体導入・追加時に要注意

症状

初期症状は、魚の体表に白点病よりやや大きめの白点が認められます。
病気が進行するに従い患部は大きくなりウロコがもちあがりその周辺が充血します。
重症魚では、ウロコが脱落し筋肉が露出することもあり、穴あき病とよく似た症状になります。
ヒレにもよく寄生します。この病気は入梅季に多く見られます。

原因

・水質の悪化
・魚の新規導入や追加、外部からの持ち込み
※立ち上げ初期の生物ろ過が出来上がっていない水槽で特に発生しやすいです。


原生動物のツリガネムシ(エピスティリス)が、魚の体表やヒレに着生することにより起こります。
この病気の初期に見られる白い粘質の点は、ツリガネムシがたくさん集まって着生しているものです。
ツリガネムシは長い柄で魚体に着生します。柄の先端には釣り鐘状の本体があり繊毛を運動させながら、水中の微生物などを捕食しています。そしてある条件下になると本体が柄から切り離されて、水中を自由に泳ぎまわり、他の魚に寄生してゆきます。
エピスティリス症は、病気が進行するに従い穴あき病や尾ぐされ病とよく似た症状になるので、誤診されることがありますので注意してください。診断は、患部を取って顕微鏡で観察しツリガネムシの有無を確認してください。


吸虫症(ダクチロギルス症 ギロダクチルス症) ・・・エラぶたの動きが早い、動きが鈍いといった症状が出たら要注意

症状

これらの寄生虫は、金魚・鯉・熱帯魚のエラや体表・鰭に寄生します。
病魚は、この寄生虫を落とそうと体を石や水槽の壁などに体をこすり付けます。
エラに寄生しますと、エラが腫れ、エラぶたが閉まらなくなります。
さらに寄生数が増えると、エラ全体に本虫がいきわたるので呼吸困難になり魚は死に到ります。
また、ヒレに寄生を受けた病魚は、微細な白い糸状の付着物が確認されます。
ディスカスの体表にこれら寄生虫が付くと、体全体が黒くなり、さらに症状が進行すると表皮が半透明の白色を呈するようになります。

原因

・魚の新規導入や追加、外部からの持ち込み
※魚を新規導入する際は予防をかねてしっかりとトリートメントをすることが重要です。金魚やディスカスでは重症化しやすいので特に注意が必要です。


これらの寄生虫は、扁形動物の単性類に分類され、いずれも外部寄生性です。
ダクチロギルスはエラに寄生し、ギロダクチルスはエラ・体表・ヒレに寄生します。
この2種の寄生虫は、形態的にフックと呼ばれる鈎のようなものを用いて魚に寄生します。
また、ギロダクチルスは胎生で、体内に仔虫さらに仔虫の体内に孫虫が確認されるので、三代虫とも呼ばれています。
それに対して、ダクチロギルスは卵生です。


イカリムシ症 ・・・成虫は必ず除去が必要!

症状

イカリムシが魚の体表に突き刺さって寄生する病気です。肉眼的には金魚の体表に、ひも状のものが付着しているように見えます。
病魚によっては、イカリムシが突き刺さる周辺の皮膚が赤く充血することもあります。

原因

・魚の新規導入や追加、外部からの持ち込み
※大型魚、古代魚ではエサの小赤が持ち込むことが多いです。イカリムシは幼生にしか薬品が効かないため、約2週間の間隔で2〜3回の薬浴をおすすめします。


イカリムシ(Lernaea cyprinacea)はミジンコに近縁な甲殻類に分類されます。魚に寄生するのはメスのみです。メスは交尾後、頭部を魚体に突き刺して寄生生活を始めます。イカリムシの名前は、頭部の形が船のイカリのような形状をしていることに由来します。
このため一度突き刺さったイカリムシは簡単に抜けることはありません。イカリムシのメスの寿命は、夏で1.5〜2ヶ月ですが、冬の間イカリムシは、魚に突き刺さった状態で越冬します。そして、サクラが散り始める頃よりイカリムシは越冬から目覚め、産卵を行います。
メスは一生のうち、13〜15回も産卵を繰り返します。卵からふ化したイカリムシの子供は、ノープリウス幼生とよばれ、ミジンコによく似た形をしています。ふ化した幼生は、脱皮しながら成長します。イカリムシは、ふ化してすぐ魚に寄生しません。
しばらくはミジンコのように、水中を浮遊しています。もちろんこの段階で魚に食べられることもあります。そして4回の脱皮後、ようやく魚の体表に寄生しますが、まだこの段階でも魚に突き刺さることは無く、体表の上を自由に動き回り、脱皮を繰り返し成虫となります。
成虫となったイカリムシはやがて交尾し、オスは交尾後死に、メスは頭を魚に突き刺し寄生生活を始めます。


治療薬・治療方法

リフイッシュがイカリムシの駆除に用いられています。これらの薬剤を池に散布することにより、水中のイカリムシの幼生は駆除されます。
しかし魚に寄生する成虫や卵には効果がないので、1回限りの散布では再発するかもしれません。そこで約2週間の間隔で2〜3回散布することが推奨されています。


ウオジラミ(チョウ)症 ・・・局所的に赤く充血したり、ヒレが濁り始めます

症状

ウオジラミ(Argulus japonicus)が体表に寄生するために起こります。ウオジラミは蚊のように針を突き刺して魚の血液を吸います。
病魚は、この寄生虫を落とそうと体を石や水槽の壁などに体をこすり付けます。
多数のウオジラミが寄生した病魚は過度のストレスにより死に至ることもあります。

原因

・魚の新規導入や追加、外部からの持ち込み
※大型魚、古代魚ではエサの小赤が持ち込むことが多いです。


ウオジラミは扁平な形状をしており腹部前方にある一対の吸盤で魚に取り付きます。この寄生虫はオス・メスともに魚に寄生します。メスは、一生で10回程度産卵しますが、ふ化した幼生は直ちに魚を求めて泳ぎ出します。
成熟したメスは、水槽のガラス面や石等に産卵します。この時の卵の大きさは、0.4 X 0.25mmくらいで、一度に30〜200個の卵をゼラチン様の物質で、包み込むように、しっかりと対象物に産卵します。
ウオジラミの成長は、水温に影響されます。すなわち、ウオジラミの発育適水温は、15〜30℃と言われていますが、この範囲内では、水温が高いほど、成長も早くなります。例えば、孵化日数を見ますと、水温28〜30℃では、10.7日ですが、水温16〜17℃では、44日もかかります。
一般に11月ごろ産卵された卵は、水温が、発育適水温より下がるため、卵が孵化するのは、翌年の4月ごろになります。このように、ウオジラミは、卵で、越冬するわけです。孵化した仔虫は、魚を求めて水中を遊泳します。魚に寄生しますと、そこで、脱皮を繰り返し、成虫へと成長します。


治療薬・治療方法

リフイッシュがウオジラミの駆除に用いられています。これらの薬剤は成虫・幼生に効果がありますが、卵には無効ですので、約2〜3週間の間隔で2〜3回散布してください。


水カビ病 ・・・スレ傷からの感染、他の病気からの2次発生が多い病気

症状

魚の体表やヒレに綿状のミズカビが寄生します。
このミズカビが着生する場所は、外傷や穴あき病や尾ぐされ病の患部であることが多いようです。
つまり、ある病気が発生してからこのミズカビが、二次的に着生するのです。
病状が進行するとミズカビの占有部は拡大し、その周辺が赤く充血することもあります。

原因

・輸送や網によるスレ傷
・水温の低下
※水カビ病の原因菌は水槽内に普通に存在するカビです。目に見えない小さな傷から発症することが多く、水温が低下しているときにも発生しやすいです。食べ残しのエサにカビがついていることがよくありますが、このカビも水カビ病の原因となるので、取り除いてください。


ミズカビ科に属するいろんな糸状菌(サプロレグニア)の寄生が原因です。綿状にみえる部分は菌糸体とよばれます。この菌糸は、植物の根のように体のなかへ入り込み養分を吸収します。ミズカビ病の死因は養分を吸い取られるために魚の浸透圧調整機能が破壊されるためであると考えられています。
通常、飼育水のなかにはミズカビの種というべき遊走子が常に存在しています。この遊走子が健康な魚に遭遇しても簡単にミズカビ病になることはありませんが、輸送中に生じたスレ傷や、細菌感染・外部寄生虫により生じた外傷に遊走子が接触すると発病することがあります。このようにミズカビ病は二次的な病気として発生することがあります。また魚体に寄生したミズカビの菌糸は成長するとその先端に遊走子嚢とよばれる器官が形成され、そこから遊走子が放出されることにより他の魚に感染してゆきます。


治療薬・治療方法

本病の対策として水中のミズカビの遊走子を駆除するためニューグリーンF・アグテンを用います。
具体的な治療法は、飼育水を半分程度取替え薬品を投薬します。またピンセットなどで病魚からミズカビを取り除き患部に薬剤を直接塗布することも効果的です。
さらに病魚の体調を早く回復させるために、食塩を水100リットル当り300g〜500g入れると効果的です。
また、他の病気と併発している場合、例えば、尾ぐされ病とミズカビが発症しているときは、まず、グリーンFゴールドを投薬し、尾ぐされ病の対応処置を施してから、数時間後に、ニューグリーンFまたは、グリーンFリキッドを投薬し、本病の処置を施します。
※塩分に弱い魚種は様子を見ながら塩分を上げてください。
※塩分濃度を上げる際は急に上げないようにご注意ください。
※水草の入っている水槽では塩を入れないでください。


尾ぐされ病・口ぐされ病 ・・・進行が早く、集団感染の危険が高い

症状

尾ぐされ病は、観賞魚に良く見られる病気です。初期症状は、ヒレの先端や縁が白く濁り、その周囲が赤く充血することがあります。
病気が進行するに従い、白濁はヒレの根元の方へと拡大し、ヒレの先端部から裂け始め、重症魚になるとヒレは、扇を裂いたようになり、病魚は衰弱して死にいたります。
また病魚によっては患部にミズカビが寄生することもあり、さらに治療困難になります。
本病は発見が遅れると取り返しの付かないケースが多いので注意してください。

原因

・水質の悪化
・魚の新規導入や追加、外部からの持ち込み
・輸送や網によるスレ傷
・魚の免疫力の低下


粘液滑走細菌のフラボバクテリウム カラムナーレ(カラムナリス菌)とよばれる細菌の感染によって尾ぐされ病は起こります。このカラムナリス菌は、魚のヒレ以外にエラや口の周囲にも感染しますので、その感染部位にちなんで、エラぐされ病や口ぐされ病とよばれていますが、原因は同じです。
尾ぐされ病の初期症状でヒレの先端が白く濁るのは、このカラムナリス菌が感染したためヒレの組織が破壊(壊死)されたためです。またヒレが裂けるのは、カラムナリス菌が強力なタンパク質分解酵素を出してヒレを溶かしてしまうためです。このカラムナリス菌は酸素が充分供給されないと増殖することが出来ないため、感染の範囲が内臓まで及ぶことはありません。言い換えますと酸素が供給されやすいヒレやエラなどに感染しやすい訳です。


治療薬・治療方法

抗菌剤による薬浴で病魚を治療します。観パラDやグリーンFゴールド顆粒、エルバージュエースがあります。具体的な治療法としては水を半分程度取替え、上記薬品で病魚を薬浴させます。このとき食塩を水100リットルに対して300g〜500g(0.3%〜0.5%)入れると効果的です。
またミズカビが着生している場合はメチレンブルーまたは、ニューグリーンFを追加投薬してください。
これらの方法を用いても、重症魚は治療困難なケースが多いので、初期のうちに病気を発見して治療することを心がけてください。
※塩分に弱い魚種は様子を見ながら塩分を上げて下さい。
※塩分濃度を上げる際は急に上げないようにご注意ください。


運動性エロモナス症(穴あき病、松かさ病) ・・・体内外からの感染があり、重症魚は長期治療が要

症状

初期症状は体の数箇所が、血がにじんだようになります。
病気が進行すると充血の範囲は体全体に行き渡りますが、局所的な場合もあります。
また、腹部が膨れたり、肛門が腫れることもあります。
病魚は、衰弱して、死に至ります。

原因

・水質の悪化
・魚の新規導入や追加、外部からの持ち込み
・魚の免疫力の低下
・酸化した古いエサ


エロモナス ハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)とよばれる病原細菌の感染によって引き起こされる病気であることがわかっています。この病原細菌は、淡水環境中では、常に存在する細菌ですが、水質の変化等で、魚がストレスを受けたときに、この細菌に対する抵抗力が低下し、病気が発生すると考えられています。
特に梅雨の時期では、雨が降った後などは、水温が急激に変化することがあるので、要注意です。また、この細菌は、比較的高水温 (25〜30℃)で、繁殖しやすい細菌ですので、夏―秋にかけて、発生しやすい病気です。
また、池で飼育されている鯉は、水温の変化が著しい春先は、要注意です。この時期は、越冬明けで、鯉は、病原菌に対する抵抗力が、低下していますので、これらの病原細菌に感染しやすいと言われています。


治療薬・治療方法

抗菌剤による薬浴が効果的です。観パラDやグリーンFゴールド顆粒、エルバージュエースがあります。穴あき病で体表に穴があいている時は食塩浴(0.3〜0.5%)を併用すると効果的です。
この病気は、進行が早いので、早期に発見して、治療することをお勧めします。

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代表的な熱帯魚の病気の外部症状一覧

部位 症状 推定される病気 対策
ただれる、周辺の皮膚が白くなる カラムナリス病(口ぐされ病) グリーンFゴールド観パラDエルバージュエース
肛門 肛門の周囲が充血する、肛門が開く 運動性エロモナス症 観パラDエルバージュエースグリーンFゴールド顆粒
エラ 淡黄色の粘液物が付着する カラムナリス病 グリーンFゴールド観パラDエルバージュエース
(金魚)腐ったように黒ずむ、淡いピンク色を呈する 寄生虫性鰓病 リフイッシュ
(金魚)春や秋にエラの色が淡いピンク色を呈する キンギョヘルペスウィルス病 水温を25℃以上または15℃以下にする。死魚はすみやかに取り除く。
体表、ヒレ 直径0.5mm程度の小さな白点があちこち見られる 白点病 メチレンブルーアグテンニューグリーンF
鱗1〜2枚程度が充血する、体全体が内出血する 運動性エロモナス症 観パラDエルバージュエース
(金魚)鱗1〜2枚程度が白濁し、その周辺が充血する 穴あき病(初期) エルバージュエース観パラD
(金魚)体表に穴が開き、筋肉が露出する 穴あき病(重症) エルバージュエース観パラD
(金魚)鱗が逆立ち、松かさのようになる マツカサ病 食塩浴エルバージュエースの併用
鰭全体が赤く充血する 運動性エロモナス症 観パラDエルバージュエース
カビのようなものが付着する ミズカビ病 メチレンブルーアグテン
(グッピー)尾ひれをたたんで、立ち泳ぎする グッピー病 水温を20℃まで下げる
鰭の先端が白濁する 尾ぐされ病(初期) グリーンFゴールドエルバージュエース
鰭全体が腐る 尾ぐされ病(重症) グリーンFゴールドエルバージュエース
(金魚)腹部が膨れ、体が一方向に折れ曲がる 腎腫大症 病魚を取り除く
(金魚)魚が転覆する 転覆病 水温を25℃まで上げる