クマノミを飼ってみよう

クマノミのカタログ

一番人気! カクレクマノミ
  • 学名 Amphiprion ocellaris
  • 別名 クラウンアネモネフィッシュ
  • 分布/生息域 国産養殖
    ワイルド: インド洋〜西部太平洋
  • 体長 6〜11cm
相性のよいイソギンチャク
ハタゴ、サンゴ
映画のキャラクターでモチーフとなったカクレクマノミは、クマノミの仲間で最も人気のある種類です。
人工飼料にもすぐに餌付き飼育は容易なので、ビギナーの方にもおすすめな種類です。 性格は温和ですので、他のクマノミや攻撃的な生体との混泳は避けた方が良いでしょう。毒性の強い ハタゴイソギンチャクなどと共生することで敵から身を守ることで知られています。 共生するイソギンチャクはハタゴイソギンチャクを好みますが、サンゴイソギンチャクなどにも共生することがあります。
本種は、通常オレンジの地に3本のバンドが入りますが、ブリード個体では、バンドのラインが乱れた模様のイレギュラーバンドなものや、 バンド自体がないものなども存在します。最近では国内や台湾で養殖された個体が多く流通されており、天然採取の個体に比べて 水槽飼育下での繁殖が身近になりました。
黒いカクレクマノミ! ブラックオセラリス
  • 学名 Amphiprion ocellaris
  • 別名 -
  • 分布/生息域 国産・オーストラリア養殖
    ワイルド: 西部太平洋(オセアニア)〜インド洋
  • 体長 8〜11cm
相性のよいイソギンチャク
ハタゴ、サンゴ
カクレクマノミの黒いカラーバージョンの個体を固定品種にしたもので、もともとオーストラリアでブリーディングされていましたが 近年では日本でもブリードが盛んになり流通されるようになりました。 幼魚の体色はオレンジ色が混じりますが、成長に伴い黒の面積が広まってきます。 カクレクマノミと同様に性格は温和で、 幼魚期では同種を数匹で飼育すると群れをなして互いに身を寄せ合ってひとつのかたまりのように見せる動作をします。 本種もハタゴイソギンチャクなどの共生を行います。 まだまだ、希少な種なので高価ではありますが、カクレクマノミと同様に飼育下でもブリーディングが可能なので、複数飼育をおすすめします。
いろいろなイソギンチャクに入ります! ナミクマノミ
  • 学名 Amphiprion clarkii
  • 別名 クマノミ
  • 分布/生息域 西部太平洋〜インド洋
  • 体長 13〜15cm
相性のよいイソギンチャク
ロングテンタクル、シライト、サンゴ
クマノミの代表種で、一般的にクマノミというと本種を指すことが多いようです。 生息地域によっては黒や茶色などのカラーバリエーションが豊富で、多くの色彩変異個体や亜種が存在します。 日本の近海にも生息しており、水温の高い夏の間では関東の近海でも見ることができます。
ロングテンタクルをはじめとした多くのイソギンチャクと共生しますので、 共生をメインに楽しむにはおすすめの種類といえるでしょう。
鮮やかな赤が人気! ハマクマノミ
  • 学名 Amphiprion frenatus
  • 別名 トマトアネモネフィッシュ
  • 分布/生息域 ワイルド: 西部太平洋〜インド洋
  • 体長 14cm
相性のよいイソギンチャク
タマイタダキ、サンゴ
「トマト」の名前でも親しまれているポピュラーなクマノミで、完熟のトマトの様な鮮やかなオレンジ色の体色からその別名が名付けられました。 主にタマイタダキイソンチャクと共生します。
色彩変異の多い種類で色の濃淡や黒斑の入り方にバリエーションがあり、生息地域によっても微妙にカラーリングが異なります。 大きくなると特に攻撃性が強くなるので注意が必要ですが、餌付けも容易な飼いやすい種類です。
淡いピンクがきれい! ハナビラクマノミ
  • 学名 Amphiprion perideraion
  • 別名 -
  • 分布/生息域 中部太平洋〜インド洋
  • 体長 9〜10cm
相性のよいイソギンチャク
シライト、ロングテンタクル、ハタゴ
淡いピンク色の花びらに例えられるほど美しいクマノミです。クマノミの中でも性格は温和な種類です。
主にシライトイソギンチャクやロングテンタクルアネモネなどのイソギンチャクと共生します。 この淡いピンク色は、イソギンチャクの触手の色合いにうまく溶け込み、イソギンチャクの中に入ると見失うほどうまく隠れます。
ハートの模様がかわいい! トウアカクマノミ
  • 学名 Amphiprion polymnus
  • 別名 -
  • 分布/生息域 西部太平洋〜インド洋
  • 体長 12〜13cm
相性のよいイソギンチャク
シライト
オレンジ色から茶色にかけてのグラデーションが美しい体色に、白い頭部のバンド及び背中の鞍掛け模様が特徴のクマノミです。 個体によっては背中から見ると鞍掛け模様がハートのように見えるものもいます。 他のクマノミに比べ体長も大きくなる種類で、成魚になると15cmを超えるものもいます。
自然下ではイボハタゴイソギンチャクと共生していますが、シライト等にも入ることがあります。
小型水槽でも1匹飼いにおすすめ! スパインチークアネモネ
  • 学名 Premnas biaculeatus
  • 別名 -
  • 分布/生息域 西部太平洋〜インド洋
  • 体長 12〜16cm
相性のよいイソギンチャク
サンゴ
本種は、他のクマノミとは違う属種に分類され、目の下の頬(ホホ)に大きな棘(トゲ)があり、 その容姿から「スパインイーク」と呼ばれています。現在はこのスパインチークのみが別属として扱われ1属1種を形成しています。
雄性先熟型の性転換を行い、メスは大きく厳つい顔立ちの個体になります。また、オスは小さく可愛らしい個体となります。 ただし気性が大変荒いため、同種及びそれ以外のクマノミとの混泳も注意が必要なほど攻撃的なので、ペアリングは非常に難しいです。 タマイタダキイソンチャク等のイソギンチャクと共生します。
スマトラ島付近の個体は、バンド部分が黄色みを帯びているのでイエローバンドスパインチークの名前で流通します。
シックな黒が人気! レッドアンドブラックアネモネフィッシュ
  • 学名 Amphiprion melanopus
  • 別名 -
  • 分布/生息域 中部太平洋
  • 体長 12cm
相性のよいイソギンチャク
タマイタダキ、サンゴ
ハマクマノミに近い種類で、深みのある赤い地に黒いグラデーションのボディカラー、そして、腹ビレが黒いのが特徴です。 本種も大きくなると特に攻撃性が強くなりますが、複数での飼育がうまくいけばペアリングも可能です。 ハマクマノミよりも生息範囲が広く、自然下では近似種間での交雑種も多く発見されています。
黒の縁取りがアクセント! ペルクラクラウンアネモネフィッシュ
  • 学名 Amphiprion perculla
  • 別名 クラウンアネモネフィッシュ
  • 分布/生息域 オセアニア
  • 体長 8〜11cm
相性のよいイソギンチャク
ハタゴ、サンゴ
カクレクマノミに似ていますが、白いバンド部分の周りに黒い波紋の様な柄が入っているのが特徴です。 ワイルド個体でも白いバンドの模様がイレギュラーなのも存在して、個体によってさまざまな表情が楽しめます。 生息地域がカクレクマノミとは微妙に異なり、本種はニューギニアからオーストラリア北東部沿岸に分布しています。 共生するイソギンチャクは、主にハタゴイソギンチャクを好みます。
白と黒のコントラストが美しい! ブラッククラウン
  • 学名 Amphiprion sp.
  • 別名 ホワイトチップアネモネフィッシュ
  • 分布/生息域 西部太平洋〜インド洋
  • 体長 13〜14cm
相性のよいイソギンチャク
シライト
トウアカクマノミに近い種類のクマノミで、黒味がかたった体に白いバンド、口元とエラビレにある黄色のアクセントが美しい種類です。
人工飼料も容易に食べ、同種間での争いも若干穏やかで飼いやすい種類ですが、 やはりテリトリー意識が強いので成魚になると同種や近縁種の繊細な魚との混泳には注意が必要です。 自然下ではイボハタゴイソギンチャクと共生していますが、シライト等にも入ることがあります。

イソギンチャクのカタログ

初心者におすすめ! サンゴイソギンチャク
  • 学名 Entacmaea actinostoloides
  • 体長 12cm
相性のよいクマノミ
カクレクマノミ、ブラックオセラリス、ナミクマノミ、ハマクマノミ、スパインチーク、レッドアンドブラック、ペルクラ
ポピュラーなイソギンチャクで褐色やグリーンなどのカラーバリエーションがあります。
触手の形は個体差がありますが一度膨らんで先端がまた細くなるものが多いようです。
他の種類に比べて水質変化に強く、強めの蛍光灯でも飼育可能ですので初心者にもおすすめの種類です。
一番人気! シライトイソギンチャク
  • 学名 Heteractis crispa
  • 体長 40cm
相性のよいクマノミ
ナミクマノミ、ハマクマノミ、トウアカクマノミ、ブラッククラウン
一般的に白ベースに触手の先端は紫のものが多いイソギンチャクですが、 強い光で状態良く飼育していると体内の褐色もが増えて褐色に変化してしまうことがあります。
さほど動き回らない種類ですがどちらかと言うと砂と岩の間などに落ち着くことが多いようです。
ハマクマノミのお供に! タマイタダキイソギンチャク
  • 学名 Entacmaea ramsayi
  • 体長 40cm
相性のよいクマノミ
ハマクマノミ
その名前のとおり触手の先端が玉のように丸い種類ですが個体差が大きいためサンゴイソギンチャクとの区別が難しい種類です。
飼育に関してもサンゴイソギンチャクと同じような条件で飼育可能ですが 落ち着ける場所を探して頻繁に動き回る性質を持っているため、 ストレーナーやオーバーフローパイプに吸い込まれ死んでしまう事故が起きる可能性があるので スポンジや目の細かいネットで覆うなどの工夫が必要です。
長い触手が人気! ロングテンタクルアネモネ
  • 学名 Antheopsis doreensis
  • 体長 30cm
相性のよいクマノミ
ナミクマノミ、ハナビラクマノミ
その名のとおり長い触手を持ったイソギンチャクでグリーンやパープルなどのカラーバリエーションもあります。
砂中に埋もれていることが多く、張り付く力が弱く移動することも少ないので落とした箇所に配置しやすい種類といえるでしょう。
丈夫な種類なのですが人気のカクレクマノミはなかなか入ってくれないことが多いようです。
カクレクマノミが大好き! ハタゴイソギンチャク
  • 学名 Stichodactyla gigantea
  • 体長 50cm
相性のよいクマノミ
カクレクマノミ、ブラックオセラリス、ハナビラクマノミ
大型のイソギンチャクで触手が短くじゅうたんのような印象を受けるイソギンチャクです。
入荷個体も30cm以上のものが多いので90cm以上の大型水槽での飼育が適しています。
飼育は水質の変化に敏感な上に強い光を必要としますのでメタルハライドランプの設置は必須です。 毒が強く、肌が敏感な方はかぶれるのでゴム手袋を用いて扱いましょう。

必要な器材

水槽のサイズ
30cm
容量(目安)
12〜25リットル前後
適量匹数:幼魚
2匹
適量匹数:成魚
2匹
イソギンチャクの飼育
容量不足のため不可
照明
クマノミのみ飼育の場合は蛍光灯9W〜13W。
水槽のサイズ
45cm
容量(目安)
30〜40リットル
適量匹数:幼魚
3〜5匹
適量匹数:成魚
3匹
イソギンチャクの飼育
サンゴイソギンチャク/ロングテンタクルアネモネ/シライトイソギンチャクなど。十分なろ過設備とプロテインスキマーが必要。また、蛍光灯以上の光量がある照明器具を使えば飼育可能。
照明
クマノミのみの場合は蛍光灯9W〜15W。また、蛍光灯でも可能なサンゴイソギンチャク/ロングテンタクルアネモネなどは飼育可能。ハタゴイソギンチャクやセンジュイソギンチャクは、設備及び生体の大きさから容量が若干不足しているが飼育は可能だがリスクが高い。
水槽のサイズ
60cm
容量(目安)
55〜65リットル
適量匹数:幼魚
5〜10匹程度
適量匹数:成魚
5匹
イソギンチャクの飼育
蛍光灯での設備であれば、サンゴイソギンチャク/タマイタダキイソギンチャク/ロングテンタクルアネモネ/シライトイソギンチャクなど。さらに十分なろ過設備とプロテインスキマー及びメタルハライドランプが備わっていれば、ハタゴイソギンチャクも飼育可能。
照明
クマノミのみの場合は蛍光灯18〜20W×2灯。飼育できる無脊椎動物の種類の幅を広げるのであればメタルハライドランプの75W以上がおすすめ。
水槽のサイズ
90cm
容量(目安)
150〜300リットル
適量匹数:幼魚
15〜30匹
適量匹数:成魚
5〜8匹
イソギンチャクの飼育
蛍光灯での設備であれば、サンゴイソギンチャク/タマイタダキイソギンチャク/ロングテンタクルアネモネ/シライトイソギンチャクなど。さらに十分なろ過設備とプロテインスキマー及びメタルハライドランプが備わっていれば、ハタゴイソギンチャクも飼育可能。
照明
蛍光灯32Wを2〜4灯、もしくはメタルハライドランプ150Wを1〜2基でほぼ全般のイソギンチャク及びサンゴなど飼育が可能。(ハードコーラルについてはカルシウムリアクターが必要。)

これひとつで始めるクマノミ飼育セット

これひとつでクマノミ飼育がはじめられる! チャームオリジナル クマノミ飼育セット
これ1台でクマノミの飼育をスタートできる、飼育に必要な用品が揃った始めての方にもおすすめな水槽セットです。 このセットでクマノミを飼ってみませんか?
クマノミスタートには、相性のよい生体を揃えた生体セットがおすすめです。

主な病気と処置について

白点病

病状

淡水熱帯魚の白点病とは基本的に病原虫が異なりますが、海水魚の場合も見た目は同様で、胴体やヒレに小さな白い点が付く病気です。初期段階では、治療ができるものの、全身に転移すると死亡率が高まります。クマノミのみならず、海水魚の全般にかかりうる大変身近で危険な病気のひとつです。主に季節の変わる温度差の激しい季節にかかりやすいので、水温管理に注意が必要な病気です。

処置方法

あくまでも早期発見によるもので、早期治療が大前提です。いくつか治療法がありますが、病気の個体だけを別の水槽やバケツに隔離して、低比重の海水にグリーンFゴールドやエルバージュなどの薬品で薬浴させる方法が一般的です。この時、忘れてはならないのがエアレーションです。これを約30分から1時間おこないます。水温が低下する場合は、ヒーターを併用します。また、イソギンチャクなどの無脊椎動物やライブロックなどと一緒に飼育している水槽で、病気の個体を隔離できない場合は、その飼育水槽で薬品を使うことができないので、水換えの頻度をたかめて常に一定の塩分濃度と水温を保てる様にします。また、常時UV殺菌灯を設置することをおすすめします。

トリコディナ病

病状

飼育下では、皮膚の粘膜が弱まることで免疫が低下して起こる皮膚病といわれています。抵抗力がなくなることで病原虫が皮膚やヒレに付きそこを苗床としてひろがってゆきます。クマノミの場合、ボヤッとした白く薄いものが皮膚に付き始めたら要注意です。一説によるとイソギンチャクに入っているクマノミは常に触手の毒に耐えるだけの免疫を持っているので病気にはかかりにくいといわれております。また、エサの上げ過ぎや過密な飼育をすると病気にかかりやすく、感染も広がりやすいので要注意です。

処置方法

この病気も早期発見による治療が大前提となります。皮膚の具合やヒレが白い粘膜の様なものが付いて開かない場合も疑いがあります。治療法としては、病原虫は淡水に弱いので淡水浴をおこないます。時間的には10分程度おこないます。(あくまで病気の個体の状態によるものです)この時、適量のグリーンFゴールドを十分に溶かしてカルキ抜きをした淡水の中にいれます。なお、アクアセイフを添加することにより、強力保護コロイドが皮膚やエラを保護する働きがあるので、併用してお使いいただくとより良いでしょう。この淡水浴に関しても短時間ではありますが、エアレーションの設置と水温が低下しない様にオートヒーターなどで一定温度を保つ様に心がけてください。

繁殖について

状態の良いイソギンチャクと複数のクマノミの飼育をすると上手くいけばペアリングに成功します。
カップルが成立すれば、後に繁殖行動に移る可能性が高くなります。
イソギンチャクが定着しているライブロックや水槽の壁面に卵を産みつけます。
産卵後約1週間で孵化します。孵化の直前では照明を1時間ほど消してじっと待ちましょう。
その間、親のクマノミはヒレで水流を送ったりと卵の面倒をみます。
孵化後幼魚は親のクマノミに食べられてしまうので幼魚用の飼育水槽を別に用意します。
この幼魚用飼育水槽では水流が出ない様に工夫が必要で、ヒーターと弱めのエアレーションだけで飼育します。
そして、幼魚にクロレラやワムシなどの餌を与えます。成長に合わせてコペポーダやブラインシュリンプ、そして乾燥餌へと餌付けていきます。

動画でクマノミを楽しもう!

クマノミ飼育にはあらゆるドラマがあり、常に癒しを提供してくれます。
動画でカワイイ姿をご覧いただき、クマノミの魅力を実感してみてください!

海水についてもっと学んでみよう!