浄水器のすすめ

レッスン1 アクアリウムの基本・・・水

大部分の方が普段飲んでいる水道水をアクアリウムにもお使いになっていると思います。皆さんご存知の通り、雑菌の繁殖を防ぐため消毒用の塩素(カルキ)が含まれており、その他に重金属や栄養塩など、魚・エビ・サンゴの飼育に有害な成分が含まれています。これらの有害成分を無害化するカルキ抜きなどがありますが、頻繁・大量に水換えをする場合、とても面倒な作業です。
そこでおすすめしたいのがアクアリウム用浄水器。水換えが楽になるだけでなく、上位機種ではコケの発生を抑えたり水換えの周期を長くすることもできます。それでは、アクアリウム浄水器の特徴・設置方法についてご説明しましょう。

レッスン2 浄水器設置のメリット

RO図表
さらにRO・DIを通すと・・・
海水魚 サンゴ ミドリイシ ホシクサ トニナ 南米産水草 岩組み 水草レイアウト 海水魚 水槽セット
ミドリイシなど、リン酸などの有害物質に影響を受けやすいサンゴの飼育に 南米系のホシクサなど、ミネラルが少ない軟水を好む生体の育成に 石組みやケイ砂など、硬度を上げてしまう物質が入ったレイアウトの水質調整に コケの発生が抑えられ、水換えの周期を伸ばせる

レッスン3

セディメント/コットン カーボン
ROメンブレン DIフィルター(イオン交換樹脂)
ROは、セディメント/コットンやカーボンとは比較にならない細かいフィルターですから、高い圧力をかける必要があります。しかしながら、日本の水道では水圧が足りないため、加圧ポンプを通してROに力をかける必要があります。
また、表面が簡単に目詰まりしないようにしなければなりません。RO膜表面の菌繁殖を防止するため、不純物は濃縮されて捨て水として排出されます。捨て水は純水の2〜5倍程度排出されますが、もの凄く汚い水ではありませんので庭の散水、お風呂や洗濯などに活用できます。定期的にTDSメーターで水質を測定し、値が上昇してきたら交換時期です。
イラスト 各フィルターの浄水能力

レッスン4 設置方法

1、蛇口にアダプターを設置します
クロノスレインには日本の大部分の蛇口に適合するアダプターが付属しています。説明書に従ってパーツやパッキンを取り付けます。また切り替えスイッチが付いているので浄水器を使わない場合は今までどおり水道が使えます。
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2、チューブを接続します
画像 RO/DIの場合、チューブの取り回しが複雑になっている機種が多いです。説明書を良く見ながら水道→セディメント→カーボン→加圧ポンプ→ROメンブレンの順番でしっかりと接続します。各カートリッジの接続には耐圧チューブを使いますが、切り口が汚いと水漏れの原因になりますのでチューブカッターを使用することをおすすめします。
※写真では撮影用に社外品のポンプを取り付けましたが、清浄な水の精製及び破損を防ぐため必ず適合するポンプを取り付けてください。

3、ROから先の配管です
画像 ROメンブレンからは純水と捨て水(排水)・2箇所のコネクタがあります。捨て水は排水バルブを経由して流しなどの排水口へ、純水側はDIカートリッジ経由でため水槽へと導きます。ここではため水用にポリタンクを使いましたが、止め忘れを防ぐため水が溢れても差し支えない場所に置くようにしましょう。チャームでは各種耐圧チューブ・配管機材も取り揃えていますので複数の水槽に設置したり遠い部屋にため水を導くこともできます。

4、カーボンフィルターを洗浄します
画像 新品のカーボンフィルターには細かい炭の粉が含まれているためこのまま水を通すとROが使えなくなってしまいます。カーボンとROを接続しているチューブを、捨て水用チューブにつなぎ変えて通水すると黒い水が出てきます。20リットルほど流して水が透明なったら、元通りに接続します。この作業はカーボンフィルターを交換した際にも必要です。

5、ROメンブレンに通水します
次にROの通水テストです。カーボン同様ROの純水出口のチューブを外して排水口に導きます。蛇口を開け、加圧ポンプを始動すると2本のチューブから水が出てくると思います。新品のメンブレンは純度の低い水が精製されますので2時間ほどかけ流します。
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6、最終チェックをします
画像 最後にROの純水出口をDIへ繋ぎ、再度始動して通水チェックをします。各接続部から水漏れがないか良く確認してください。

7、TDSモニターを設置します
クロノスレインには専用オプションTDSメーターが用意されています。センサーは2系統あり、ROの前、DIの後ろに接続することにより浄水器を通した前後の水質比較ができます。純水がほぼ0に近い値で安定すれば、浄水器の設置は完了です。数値が上がってきたら、ROとDIカートリッジの交換時期です。
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8、日常のメンテナンス〜セディメントフィルターの交換
画像 どの浄水器にも言えることですが長く使っているとフィルターが目詰まりしてきます。第一段階のセディメント/コットンフィルターを頻繁に(約半年)交換することで他のフィルターを長持ちさせることができます。付属のレンチでフィルターケースを外し、カートリッジを交換します。カートリッジの上下・Oリングの入れ忘れ、ケースの締め付けすぎに気をつけて元に戻します。

9、日常のメンテナンス〜塩素チェック&カーボンフィルターの交換
画像 クロノスレインの場合通過水量が30tを超えると塩素吸着能力が低下してきます。カーボンフィルターの通水テスト時と同じようにチューブをつなぎ変え、出てくる水に付属の塩素試験紙を浸します。色が変わると塩素が除去できていませんので、セディメントと同じ方法でカーボンも交換します。

10、日常のメンテナンス〜ROメンブレンの洗浄
画像 ROメンブレンは長期間使用すると表面に膜ができて目詰まりをおこします。生成水が少なくなってきたら捨て水を勢い良く流して洗い流す、フラッシングという作業が必要です。捨て水の排水バルブを2〜3分開放して流すだけで完了です。またTDS値が高くなってきたら、DIと共にROカートリッジを交換してください。

使用上の注意点

1、アクアリウム用浄水器を通した水は人体に害はありませんが、飲用は避けてください。

2、故障や不完全燃焼の原因になりますので湯沸かし器に直接つながないでください。

3、生成水の水あふれにご注意ください。ため水タンクは流しに設置する、ROの場合加圧ポンプにタイマーを設置したりフロートを併用すると安心です。

4、長期間(約2週間)使用しないと内部にカビが発生して全てのフィルターが使用できなくなりますので通水せずに放置しないでください。しばらく使用しなかった場合は、2時間ほど空回ししてTDS値が水道水より小さくなってから使用すると安心です。

5、RO水に関して、水道水をそのままメンブレンに通すとすぐに目詰まりをおこす上、塩素は膜の寿命を縮めるのでセディメントとカーボンを通過した水を通してください。また、水温の低い冬場は夏に比べて生成量が少なくなります。

6、RO・DIを通した水はミネラルが極端に少ない軟水です。海水の場合は各種ミネラルが含まれた人工海水を溶かすので問題ありませんが、そのまま硬度が低すぎるRO水を淡水のエビや魚などに使うと調子を崩してしまう場合があります。一度に大量の水換えは避けるかROを通さない水で割って使う、硬度調節のコンディショナーを併用する、あるいは粗めのメンブレンを採用した浄水器(エキスパートフレッシュなど)を使用することをおすすめします。

浄水器のラインナップ

スタンダード/ダイレクトビー アクアウーノ エキスパートシリーズ クロノス/シンプル
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OSMO
OSMO


コネクター・交換フィルター・各種パーツ

蛇口にはさまざまな形状があり、購入した製品にセットされるパーツが合わない場合もあります。また、接続方法によっては別途パーツが必要になることもあります。別売りで各種パーツが販売されているので、自宅の蛇口の形状、用途によっては別途お買い求めください。また、浄水器にセットされたフィルターは消耗品です。定期的なメンテナンス(フィルター交換など)を行って、いつまでも清潔な水を得られるようにしましょう。
交換フィルター ハードチューブ/コネクター類 センサー/制御機 その他のパーツ
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