緑が出始めるこれからの季節、水辺の植物たちも活発に成長し始めます。
睡蓮鉢やガーデンポンドにて、スイレン、ハス、水生アイリスなどの可憐な花や
ヨシやガマ、イネなどの野趣あふれるオーナメンタルグラスを楽しんでみませんか?

また、室内においても、小型の水鉢を用いてウォータープランツを楽しむのも良いものです。
小さいながらも様々な姿形や色彩で、私達の目を楽しませてくれます。
管理も水と光が十分に与えられる環境であれば容易に育成することができます。

普通の観葉植物とはまた違った、水と緑の織成す魅惑的な世界をぜひお楽しみください。
温帯性スイレン
温帯性スイレン特集へ
お勧めのポイント
・丈夫で育てやすい
・耐寒性があり、屋外で越冬可能(地域にもよります)
・花期が長く、長期間花を楽しむことが出来る。
必要な器のサイズ
最低直径30cm以上、深さ20cm以上の水鉢
注意する点
非常に寒い地域を除けば屋外で越冬が可能ですが、越冬している間に水が枯れてしまうと枯死してしまうこともあるので水は切らさないようにしてください。
詳しい解説
温帯性スイレンは耐寒性があり、日本を始めとした温帯性の地域に自生している原種です。
春になると活発に生育を始めて、晩春から初秋の頃までの水温が比較的高い時期まで長く花を咲かせます。
開花時期には日中のみ開く昼咲きの花です。
温帯性スイレンには主に赤、黄、ピンク、白と4種類ですが、色の濃い種や薄い種など独特の花を咲かせるものもあります。
冬場は地下茎のみで越冬して、翌年水温が暖かくなりだすと新しい葉っぱが出て、花を咲かせる準備をします。 越冬時には容器の水を切らさないように注意して下さい。
熱帯性スイレン
熱帯性スイレン特集へ
お勧めのポイント
・温帯性に比べて華やかで派手な色合いが多い
・香りを楽しめる種類が多い
・夜間に花を開花する夜咲種等、バリエーションが豊富
必要な器のサイズ
最低直径30cm以上、深さ20cm以上の水鉢
注意する点
冬の寒さには弱いので冬になる前に、鉢ごと、または球根だけ保温の効いた屋内に移動する必要があります。
詳しい解説
熱帯性スイレンは、東南アジアをはじめとした熱帯性の地域に自生している原種です。
晩春以降、水温が上昇するにつれて小さな葉を出し始めます。本格的に生育を始めるのは最低気温が20℃を超える5月下旬以降がよいでしょう。
気温さえ高ければ、生育は非常に速く順調にいけば生育を始めて1ヶ月ほどで花芽が期待できます。
花は日中に咲く昼咲き種と、夜間に咲く夜咲き種があります。花の色は、昼咲き種には青、紫、黄、ピンク、白の品種があります。 そして、夜咲き種には赤、ピンク、白の品種があります。
温帯性スイレンと比較して、強く甘い香りを持った品種が多いのが熱帯性スイレンの特徴です。
注意事項としては、熱帯性スイレンは耐寒性がないことです。越冬方法については、屋内に収容するなどある程度保温をしてあげる工夫が必要です。
ハス
ハス特集へ
お勧めのポイント
・睡蓮と比べて全般的に大型で、花も大きく見栄えがする。
必要な器のサイズ
小型種(茶わんハス、即非蓮、等)
最低直径40cm以上、深さ20cm以上の水鉢
大型種(大賀蓮、天竺斑蓮、多頭蓮、等)
最低直径45cm以上、深さ20cm以上の水鉢
注意する点
日当たりを好むので、できるだけよく日のあたるところに鉢をセットしてください。
詳しい解説
ハスはスイレンとは異なり、葉は立ち葉が中心で、水面より高く上がり、花も水面より高く上がり開花します。
夜明け前の早朝より開花を始め、午後には花を閉じるものが多いです。
品種によって遅咲きのものと早咲きのものがありますが、初夏からお盆を過ぎるまでが開花時期になります。 花の色は赤、白、黄色が基本色となります。その他、交配の結果誕生した黄紅、黄白などの色もあります。
花は花弁の枚数によって八重(50枚を超えるもの)、半八重(50〜26枚)、一重(25枚以下)と分類されます。
冬場は容器の水枯れに注意すれば、越冬し、翌年新たな花を咲かせるでしょう。
カキツバタ(水生アイリス)&花菖蒲
カキツバタ&花菖蒲特集へ
お勧めのポイント
・育成が簡単、手軽で楽しめる。
・花期が睡蓮やハスとずれており、葉の形も異なるので鉢植え等で睡蓮鉢に入れるとメリハリがある。
・寒さに強く屋外で越冬できる。
必要な器のサイズ
最低直径15cm以上、深さ15cm以上の水鉢
注意する点
日当たりを好むので、できるだけよく日のあたるところに鉢をセットしてください。
詳しい解説
伝統ある日本の古典園芸植物の一つでもあるカキツバタ。
アヤメ科の植物のなかでも特に水辺に適した種類であり、睡蓮鉢での育成も十分に可能です。
ハスやスイレンにも劣らない存在感の花を持ち、ビオトープ、睡蓮鉢を彩る魅力的な美種が数多く存在します。
古典園芸種だからといって気負う必要は全くなく、育成も品種ごとの違いはあるものの、容易な種が多く気軽に楽しむことができます。
花期は5月から6月にかけての初夏で、季節順にカキツバタ、スイレン、ハスの順に花を楽しむのも一興です。
冬季は地下茎のみで越冬するので、スイレンやハスと同様に水を切らさないように管理してください。
また、同属のアヤメや花菖蒲、ジャーマンアイリスはカキツバタほどに水を好まないので混同に注意してください。

花菖蒲は、江戸時中頃から日本各地の野山に自生するノハナショウブの変わり咲きを元に改良発達してきた日本伝統の園芸植物です。
園芸植物の中でも特に品種数が多く存在し、現存する品種だけでも2000品種が存在すると考えられています。
江戸時代には、武士や、庶民の間で盛んに栽培され、江戸時代後期には、熊本や、伊勢松坂に伝えられ、それぞれの地域で品種改良が行われ、 様々な品種が作り出されてきました。また、明治時代になると、海外にも伝えられ改良されてきました。
花菖蒲は、カキツバタとは違い常に株が水の中に使ってしまっている状態では、状態を崩してしまう恐れがあります。
そのため、ビオトープ等に用いる場合には、水際の陸地部分に植栽します。
その他水辺植物
ビオトープレイアウト特集へ
多種多様なバリエーション
身近な水辺植物としてはアサザなどがよく知られますが、一言に水辺植物といっても種類やバリエーションは非常に豊富です。
スイレン、ハスとともに夏場のビオトープを演出してくれます。 スイレン、ハスと一緒に楽しむのよいですし、これらの水辺植物を中心に楽しむのもよいでしょう。
草体の小さなものは、小鉢に植え陽光の当たる窓辺などに置くことで、 一般的な観葉植物とは一味違う水と緑が織成す魅力的なグリーンインテリアとして部屋の一角を演出してくれます。
必要な器のサイズ
小型種(ウォータークローバー、シラサギカヤツリ、等)
最低直径10cm以上の小鉢
大型水生植物(ヨシ、ガマ、イネ、パピルス、等)
最低直径30cm以上、深さ20cm以上の水鉢

関連特集ページ

スイレン、ハスをはじめ数多くの水辺植物関連の特集ページをご用意しております。是非ご参考ください!