10月になって、尾瀬も紅葉の時期ではないかと
今回は御池→燧ケ岳→ナデッ窪→尾瀬沼→大江湿原→沼山峠のルートを辿ってみた。

燧ケ岳からの日の出を撮ろうと、朝2:30から登るため御池に着いた。
ヘッドライトを付けて森の中へと滑りやすい木道を歩こうとしたが
暗すぎて足元がよく見えない。あえなく日の出の写真は断念した。

日の出一時間前の4:30になると薄暗い中登り始める。
最初の地塘が見えた。広沢田代だ。

やっぱり地塘はいい。森、草原、雲、空の情景を鏡のように映し出す。

地塘に生えるミクリも溶け始め、池を囲むミズゴケも黄色や赤に紅葉して美しい。
ブナやナナカマドなど木々の紅葉も進み、赤・オレンジ・黄・緑が色彩豊かで賑やかだ。

熊沢田代に着くと山頂が見えた。立ち止まってガスが退くのを待っていると
他の登山者が次から次へと下りの木道で滑って転倒する。
笑い事じゃないが、面白いように皆尻餅をついている。

山頂の一つ、俎ー(まないたぐら)に着くと尾瀬沼がガスの合間から覗く
6月に登った会津駒ケ岳も北にはっきりと見える。

隣の柴安ー(しばやすぐら)に出ると西に何度も足を運んだ尾瀬ヶ原の雄大な湿原が迎えてくれた。
その奥に至仏山、右に八海山、景鶴山、与作岳が湿原を取り囲む。

ナデッ窪を下っていくと前にも後ろにも誰も付いてこない
岩ばかりのガレ場でキツイ下りだから皆、迂回路の長英新道を選ぶ理由が分かった。

あえてナデッ窪を選んだのは尾瀬沼の畔を辿りたかったから

イワウメも岩の隙間で真っ赤に紅葉している。

ようやく尾瀬沼が近くに見えて、迎えてくれたのは。
沼尻平の地塘に浮かぶヒツジグサとミツガシワの紅葉だ。
地塘の下をよく見ると、赤く輝く浮葉の下に半透明の沈水葉が密生している。

もうヒツジグサも冬の身支度をしているようだ。

尾瀬沼の畔を急ぎ巡り、西日の反射と紅葉から透過する光が眩い。



四季折々と模様替えする尾瀬。

同じ舞台なのに、同じ場所と思えないほど
演出が日々刻々と少しずつ、季節が変わる度に変化してゆく。

雨が降っても、霧がかかっても、晴れていても
その時々のその瞬間に、趣がある。

そんな天空の楽園、尾瀬に魅せられて

また雪が解け始めたら尾瀬に行こう。

紅葉水槽

アルプスの雪解け

尾瀬・会津高原の植物