よくある質問

昆虫FAQ

カブトムシ・クワガタ全般

冬場の管理はどうすれば良いですか?(国産カブト・クワガタ(以下カブクワ)の場合)

凍らない程度の温度で飼育・管理すれば大丈夫です。玄関や軒先などのなるべく温度変化の少ないところで飼育しましょう。マットが乾きすぎないよう、定期的に霧吹きなどで水分を補給するようにしてください。また、コクワガタやオオクワガタなど、成虫の姿で越冬する種類については、気温の低下と共に餌を食べなくなるため、様子を見ながらゼリーを与えるようにしましょう。

冬場の管理はどうすれば良いですか?(外国産カブクワの場合)

暖かい地域に生息している外国産カブクワは日本の冬に耐えられないものがほとんどです。20~23℃に加温して飼育するようにしましょう。数が少ない場合は爬虫類用のパネルヒーター、数が多い場合は園芸用の温室を使用して丸ごと暖めるのが一般的です。

カブクワを飼育するために、何が必要ですか?

プラケース、マット、餌用ゼリー、転倒防止材が最低限必要です。ブリードも挑戦する場合は、良質な発酵マットや産卵木が必要になる場合があります。当店では各種飼育セットを取り扱っています。

餌用ゼリーはどの程度の頻度で交換したほうが良いですか?

基本的には毎日交換してあげてください。交換を怠るとコバエの発生源にもなってしまいますので、定期的な交換を心がけましょう。

飼育しているカブクワの足が欠けてしまいましたが、大丈夫ですか?

爪や足が欠けてしまっても飼育自体に問題はありません。繁殖にも問題なく使える為、決して捨てないようにしてください。狭いケースで飼育したり、ケンカが原因で足が欠けてしまう場合もあります。

飼育しているカブクワがマットに潜ったままなのですが、大丈夫ですか?

産卵期になると、メスはマットの中に数日間から長いと数週間潜りっぱなしになることがありますので、特に問題ありません。産卵が終ると栄養補給のためにゼリーも食べるようになりますので、潜っている間もゼリーは交換するようにしてください。

小さなハエが湧いてしまいました。

コバエには大きく分けてショウジョウバエとクチキバエの2種類がいます。ショウジョウバエは餌用のゼリーや、餌がこぼれてしまったマットから、クチキバエは幼虫用の発酵マットから発生します。ゼリーやマットの劣化につながるので、コバエが湧いてしまった場合は一度ゼリーやマットを全て交換したほうがよいでしょう。

菌糸ビンに幼虫を入れたのに食痕が見られないのですが…。

「居食い」といって、あまり動かずに菌糸を食べる場合があります。その場合は外から食べた後が見られません。掘り返したりせず、しばらくそのまま様子を見てあげてください。

羽化したばかりのカブクワが餌を食べないのですが…

羽化したばかりの昆虫はまだ体ができていないため、直ぐには餌を食べません。種類によりますが、羽化して数週間~数ヶ月餌を食べないものもいます。マットが乾燥しすぎないよう観察しながら様子を見ましょう。

羽化したカブクワはすぐブリードに使用できますか?

羽化したばかりのカブクワでは、まだ成熟していないためブリードには不向きです。種類によりますが、羽化してエサを食べるようになってから、さらに1ヶ月~半年程度経ってから使用するようにしましょう。

初令、2令って何ですか?

卵から孵ったばかりの幼虫を初令、1回脱皮をした後の幼虫を2令と呼びます。カブトムシ、クワガタムシは2回脱皮して3令幼虫になった後にさなぎになります。3令幼虫の時は食欲も旺盛で、一番の成長期です。3令幼虫の時にたくさんエサを食べさせることが大型個体の作出では重要です。

羽化ズレって何ですか?

羽化ズレは幼虫の成長差による羽化時期のズレの事を意味します。サイズが小さいメスは幼虫の期間が短く、オスに比べ早く羽化して成虫になってしまいます。多少の羽化ズレは自然環境下でも良くあることなので、問題はありません。しかし、メスがオスより早く成虫になってしまい、オスが成虫になった頃にはメスが寿命を迎えてしまうことがあります。この場合次世代の交配が出来なくなってしまいます。
羽化ズレを起こしやすい種は、オスメスのサイズ差が大きい種、成虫の寿命が短い種、幼虫の期間が長い種で、継続したブリードにはテクニックが必要です。
逆にオオクワガタのように成虫の寿命が長い種は羽化ズレは大きな問題ではなく、比較的ブリードが容易な種類です。

・羽化ズレを起こしやすい種
ノコギリ系、ミヤマ系、メタリフェル系、ヘラクレス系、ネプチューン、ゾウカブト(特にマルスやラミレスなどの黒い種)

・羽化ズレを起こしにくい、羽化ズレしても問題になりにくい種
オオクワガタ系、ヒラタ系、ニジイロクワガタ、小型種全般

羽化ズレを防ぐにはどうしたらよいでしょうか?

羽化ズレを防ぐための一般的な方法をいくつか紹介します。

・メスの幼虫はオスよりやや低めの温度で管理し、成長を遅らせる。
ヘラクレスの場合、オスとメスで2~4℃程度の差をつけておくとうまくいくことが多いです。また、オスをやや高めの温度で早く羽化させる方法もありますが、大型個体を得づらく、どの程度高くしたら早めに羽化するのかという経験が無いと難しいです。

・幼虫を大きなケースで多頭飼育をする。
カブトムシの幼虫のみ使える方法です。こちらも大型個体は得づらいですが、ヘラクレスや国産カブトなどには有効な方法です。
アトラスやコーカサスなどのカルコソマの仲間やゴロファの仲間は幼虫の気性が荒い為、多頭飼育には向きません。また、クワガタの幼虫はどの種であっても多頭飼育には向きません。

・複数ペアを用意し、産卵させるタイミングをずらす。
上級者であればこの方法が一番効果的で確実な方法です。種類にもよりますが、最初に産卵させるグループと後で産卵させるグループで2ヶ月から3か月程度、産卵時期をずらすと良いでしょう。さらに幼虫の飼育温度で調整できれば6か月くらいの羽化ズレをフォローすることができます。この方法であれば幼虫の飼育頭数も増えるので、何匹かは大型個体に成長させ、残りは羽化時期を調整して次のブリードに備えることが可能です。ミヤマ系、ホソアカ系(メタリフェル等)、大型ノコギリ系(ギラファ)、フタマタクワガタ、大型シカクワガタ、大型ツヤクワガタ系ではこの方法無しには継続したブリードは難しいでしょう。

どの方法も絶対に羽化ズレを防げるわけではなく、緻密な温度管理と個体ごとの成長度を見極める技術と経験が必要です。基本的には、低温でじっくり大きく育てるグループと、高温で早く育てるグループに分けて育成し、1ペアだけでなく複数のペアから卵を得るのが良いでしょう。

一年一化、二年一化って何ですか?

一年一化は産卵後、卵からかえった幼虫が翌年には成虫として活動するサイクルです。国産カブトムシなどに代表される基本的な一生のサイクルです。二年一化は産卵後、卵からかえった幼虫が翌々年に成虫として活動するサイクルです。低い温度で管理された国産オオクワガタや国産ミヤマクワガタに代表される一生のサイクルです。また、国産のノコギリクワガタやミヤマクワガタは卵から孵化し、成虫になっても活動を開始せずに休眠し、成虫になった翌年の夏に発生する休眠型の二年一化のサイクルを持ちます。

・一年一化
夏に産卵した卵が孵化 → 秋から翌年の春まで幼虫で成長 → 春にさなぎに変態 → 夏に成虫で活動開始

・二年一化
夏に産卵した卵が孵化 → 秋から翌翌年の春まで幼虫で成長 → 春にさなぎに変態 → 夏に成虫で活動開始

・休眠型二年一化
夏に産卵した卵が孵化 → 秋から翌年の春まで幼虫で成長 → 春にさなぎに変態 → 夏に成虫になったのちそのまま休眠 → 翌年の夏に活動開始

オオクワガタの仲間は通常は一年一化ですが、幼虫期間に低い温度で飼育することで、二年一化にすることが可能です。幼虫期間を長くすることでたくさん栄養を取らせ、大型個体を狙う方法ですが、一年一化でも十分大型の個体が作出可能なので、必ずしも大型個体の条件とは言えません。

ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタの休眠型二年一化は幼虫の期間に低温で飼育すると、幼虫期間を2年と休眠期間1年の三年一化になる場合もあります。
また、ノコギリクワガタの中には休眠期間がほとんどなく翌年に活動する個体も時折見られます。離島産のノコギリクワガタ、メス個体ほどこの傾向が強く、10月頃に活動を開始することもあります。

ライフサイクルの調整が難しいノコギリクワガタやミヤマクワガタは継続したブリードが難しく、複数ペアから幼虫を得て羽化ズレに備えた方が良いでしょう。

飼育に飽きたら、野生に放してあげても大丈夫ですか?

外国産の昆虫たちを野生に放してしまうと、元々日本に生息している昆虫が生存競争に負けてしまったり、また日本の昆虫と雑種を作り、生態系を破壊する可能性があります。また、日本の昆虫でも生息する地域ごとに遺伝的な違いが見られるため、飼育している昆虫は決して野外に放したりせず、最後まで責任もって飼育してあげるようにしてください。

クワガタ、カブトムシにダニが付いていますが大丈夫ですか?

飼育には特に問題はありません。ダニは自然環境下でもクワガタやカブトムシに付着し、ワイルド個体(採集個体)でもブリード個体のどちらでも見られます。しかも、ダニはクワガタやカブトムシの死骸に集まるため、“ダニのせいで死んだのでは”と心配になることもあるかと思います。ダニが気になる場合は、使い古しの歯ブラシなどでこすって水で洗い流し、防ダニ効果のあるマット入れたケースで飼育するとキレイに取り除くことが出来ます。防ダニ効果のあるマットは産卵には適さないので、ダニが取れたら産卵セットに戻してあげましょう。

クワガタ、カブトムシのダニは人間に害は無いですか?

現在のところクワガタやカブトムシに付着するダニで人体に影響が出た報告例はありません。また人間やペットに寄生するマダニとは全く異なるのでご安心ください。

国産ノコギリクワガタ・ミヤマクワガタの成虫の休眠を打破するために冷蔵庫に入れるって本当?

ノコギリクワガタやミヤマクワガタは蛹から成虫に羽化した後、そのまま蛹室で越冬(休眠)し、翌年の5月~6月頃に活動を開始します。この休眠を打破するために冷蔵庫で一度冬を経験させる方法が一部の愛好家の間で知られています。しかし、休眠を打破する温度条件やメカニズムは良くわかっていないので、オススメはできません。また、急激な温度変化は虫にも大きな負担になるため、死んでしまうリスクも非常に高いです。

国産ノコギリクワガタ・ミヤマクワガタが羽化したが活動しない

ノコギリクワガタやミヤマクワガタは蛹から成虫に羽化した後、そのまま蛹室で越冬(休眠)し、翌年の5月~6月頃に活動を開始します。卵から活動開始まで、最低でも2年以上かかります。成虫になったのが確認できたら、そのまま翌年まで湿度の管理だけ行ってください。蛹室の中が見えない場合はそっと掘り起こし、蛹室の上部だけ削り取り中の虫が見えるように(露天掘り)してください。完全に蛹室を壊してしまった場合は、ルアーケースやプリンカップに湿らせた水苔と成虫を一緒に入れておきましょう。活動を開始したらすぐにエサを与えられるようゼリーはストックしておき、1週間に1度は活動を開始していないか確認すると良いでしょう。

下記の場合もあるのでご注意ください。

・1年目に卵や初令幼虫で越冬、2年目は3令幼虫のまま越冬
温度や産卵時期により、幼虫期間が1年ではなく2年かかる場合があります。この場合は活動を開始するのは3年目になります。特にミヤマクワガタのオスはこの傾向が顕著で、メスは2年、オスは3年で羽化する(羽化ズレ)とブリードが継続できなくなってしまいます。

・離島産ノコギリクワガタ
離島産のノコギリクワガタは通年一定の温度で飼育した場合、休眠から突然目覚めて活動を開始してしまうことがあります。すぐにエサを与えられるように準備しておきましょう。

夏が終わってマットを取り出したけど卵を産んでいない(ミヤマクワガタなど高山種)

ミヤマクワガタ、アカアシクワガタなどの高山種は20℃を下回らないと産卵行動が始まりません。まだメスが生きているのであれば、再度産卵セットを組んで気温が下がってから取り出してみてください。また高山種の中でもヒメオオクワガタは産卵難種です。生息地のブナの枯れ材などがないとなかなか産卵してくれません。

夏に家の中で飼っていたカブトムシ・クワガタが死んでしまった

カブトムシやクワガタは寒さよりも暑さに弱いです。できれば25℃前後の室内が理想的ですので、できる限り涼しい環境で飼育してください。マンションや鉄筋コンクリートの住宅の場合は、空調を使用しない環境では、室内でも夏に30℃を越えることは珍しくなく、30℃を越えた辺りから死亡率が高くなります。特にミヤマクワガタ、アカアシクワガタのような高山種は25℃を越える環境では長生きさせることも難しいです。

カブトムシ・クワガタをたくさん同居(タコ飼い)させても良いですか?

オス同士はケンカするためできる限り個別の飼育をオススメします。ケンカが原因で死亡してしまうだけでなく、ケンカすることで著しく活動が多くなり寿命を縮めることになります。たとえ小型種でも個別での飼育をオススメします。

カブトムシ・クワガタはペアで同居させて飼育しても大丈夫ですか?

凶暴な種はメス殺しが発生するので、ペアを分けての飼育をオススメします。注意が必要なのは、ヒラタクワガタ類、大型ノコギリクワガタ類、フタマタクワガタ類、シカクワガタ類、ミヤマクワガタ類です。ブリードを目的とする場合は、交尾させる期間だけ同居させましょう。特に凶暴なヒラタクワガタ類は、わずかな交尾の期間であってもメス殺しが発生します。これを防ぐためにはオスの大アゴを丈夫なビニールテープなどで開かないように固定してから同居させると良いでしょう。それでも不安な場合はハンドペアリング(エサ場にいるメスにそっとオスを近づける)し、交尾を確認したらすぐにオスを別のケースに戻しましょう。

オオクワガタやノコギリクワガタの幼虫は冬季どのように管理したら良いですか?

国産のクワガタの幼虫は、冬季でも無加温で飼育可能です。大型個体を狙うのでなければ、室内(10℃前後)の温度があれば問題なく飼育可能です。ただし、大型個体を狙う場合は緻密な温度管理が必要になるので、加温設備が必要になります。また、沖縄などの離島産の種類も加温が必要になるので、パネルヒーターなどをご用意ください。

マット、菌糸ビン、用品について

国産カブトムシの幼虫(ブリード)にはどのマットがオススメですか?

マットを大量に消費する国産カブトムシには、安価でいながら栄養価の高い「B10 かぶとマット」がオススメです。

国産ノコギリ、ミヤマ、ヒラタクワガタの幼虫(ブリード)にはどのマットがオススメですか?

オールマイティに使用できる「XLマット クワガタ用」がオススメです。ブナ、エノキを用いたホダオガと菌床をミックスさせ、完全発酵させたこだわりのマットです。固詰めしたマットのみでのセットも可能ですが、ノコギリクワガタ、ヒラタクワガタには水分多めの産卵木を入れるとよい場合があります。ミヤマクワガタの産卵セットでは、固詰めする部分に黒土を採用するとよいでしょう。

ヘラクレス・ヘラクレスの幼虫(ブリード)にはどのマットがオススメですか?

国産、外国産を問わずほとんどのカブトムシに使用できる「XLマット カブト用」がオススメです。ヘラクレス・ヘラクレス157mm産出の実績もあり、実力十分です!

菌糸ビンはどの程度で交換した方が良いですか?

幼虫が菌糸を食べ進むと、食痕と呼ばれる茶色い部分が増えてきます。食痕が半分~3分の2程度になったら交換時期です。また、菌糸ビンが極端に劣化してしまったり、水分が溜まってしまった場合も交換した方が良いでしょう。

菌糸ビンのカワラとヒラタケは何が違うんですか?

使用しているキノコの菌糸が違います。一般的に、ヒラタケ菌糸ビンはオオクワガタやヒラタクワガタ、ノコギリクワガタなどに使用し、カワラ菌糸ビンはタランドス、レギウス、オウゴンオニなどの特定のクワガタに使用します。その他に、オオヒラタケの菌糸を用いた菌糸ビンもありますが、ヒラタケと同じだと考えてよいでしょう。

菌糸ビンのメーカーごとに特徴があるのですか?

XL―POT:当店オリジナルの菌糸ビンです。安価でありながら、国産オオクワガタ80mmオーバーの実績を持つ、実力十分な菌糸ビンです。
G―pot:菌糸ビンのメーカーとして実績十分なフォーテック製の菌糸ビンです。カップから大容量のものまであらゆるサイズがあります。
大夢:カワラ系でギネスの実績を多く持つこだわりメーカーです。透明なボトルで管理しやすいのも特徴です。
微創研:クヌギとブナをミックスしたこだわりのオガ粉で培養した、独自のシワタケ菌床などを提供するメーカーです。

昆虫マットに白いカビ状の物が出てきましたが不良品ですか?

不良品ではなく、“白いカビ状の物”は昆虫マットの原材料に含まれるキノコの菌糸です。飼育や人体への影響もありませんのでご安心ください。昆虫マットの原料にはシイタケのホダ木やヒラタケの菌床などが含まれるため、適温になるとキノコの菌糸が発生することがあります。クワガタやカブトムシの幼虫はこの菌糸を好んで食べ、大型個体の作出には良質な菌糸(木材不朽菌)が欠かせません。ただし、菌糸が生えた状態で長期間放置してしまうと、マット自体の劣化が進むので、マットはできる限り早くご使用ください。マットを保管する場合は高温多湿は避けて冷暗所で保管してください。3~4ヶ月が目安です。

人間用のゼリーをカブトムシ、クワガタに与えても大丈夫ですか?

専用の昆虫ゼリーを与えてください。人間用のゼリーだと糖分が多く、最悪の場合カブトムシ、クワガタの舌(オレンジのブラシ状のエサを舐める口器)が固まってしまいます。舌が固まってしまうと上手にエサを食べられなくなり死んでしまうことがあります。

産卵木やエサ皿の表面にカビが生えてしまいますが大丈夫ですか?

飼育には特に問題ありませんので安心してご使用ください。クワガタ、カブトムシに適した湿度はカビが生えやすいです。エサ皿の場合は一度取り出してしっかり洗った後、十分に乾燥させてください。産卵木は無理取り出して洗うことはオススメできませんが、樹皮をつけたまま使用していただくといくらかカビの発生を抑えられます。完全に防ぐことは出来ませんが、飼育ケース内がべちゃべちゃになるような過湿状態にならないよう心がけて頂くと、いくらかカビの発生を抑えることが出来ます。

クワガタの幼虫飼育に菌糸ビンとクワガタ用マットではどちらのほうが大きく育ちますか?

基本的には菌糸ビンでの飼育のほうが大型個体を得やすいです。反面、菌糸ビンが適さない種や羽化不全を起こしやすい種ではマットでの飼育のほうが安全です。また、小型種の場合は菌糸ビンでもそれほど大きくなならないので、コストのかからないマットでの飼育を選ぶこともあります。

菌糸ビン(菌糸カップ)の容量はどのように選んだら良いですか?

菌糸カップは割り出し直後の初齢幼虫、500cc~1000ccは初齢~2齢幼虫・羽化予想サイズ70mm未満の3齢幼虫、大型種のメスの幼虫、1000cc~1500ccは羽化サイズ70mm以上のオスの幼虫、1500cc以上は羽化サイズ80mm以上のオスの幼虫を目安にお選びください。

使用済みの廃マットや産卵木は庭や野山に捨てても大丈夫ですか?

マットや産卵木の中には、割り出し時に回収し損ねた卵や幼虫、成虫に付着していたダニなどが残っている場合があります。意図せずとも放虫につながりますので、廃棄する場合は地方自治体の指示に従い、燃えるゴミに出すなどして確実に処分してください。庭や野山など、屋外には絶対に廃棄しないでください。

スズムシ・キリギリス・カマキリ

スズムシがあまり鳴いてくれません。どのような環境で飼育すればよいのでしょうか?

基本的なことですが明るい環境ではあまり鳴かないので、暗幕をかけたり、暗い部屋に置く必要があります。さらに、スズムシの鳴きを良くするにはある程度の匹数のオスを一緒に飼育しつつ、個体密度が高くなり過ぎないような環境を用意する必要があります。オスは他のオスが鳴いていると競い合って鳴こうとするので、1匹ではあまり活発には鳴きません。またオス同士が出会うとテリトリー争いが起こるので、お互いの姿が見えないよう段ボール板で立体的な障害物を置いたりする必要があります。

スズムシをブリードさせたいのですが?

スズムシのブリードは鳴き虫の中でも容易です。

・飼育ケースはコバエ防止機能付きのプラケース(中サイズ以上)を使い、スズムシ専用のマットか赤玉土を5cm程度敷いて、ペアで飼育すれば容易に産卵してくれます。 スズムシの幼虫は非常に小さく、アリやダニなどの害虫を防ぐためにも隙間の小さなコバエ防止機能の付いたプラケースが良いでしょう。また、プラケースに敷く底砂は野外から採取したものだと雑菌や害虫を持ち込むため、市販のものを使用したほうが良いでしょう。

・飼育時にはメスが十分にタンパク質が取れるように専用飼料や煮干しなどの動物性のエサをメインで与えてください。

・メスは長い産卵管を土に挿して土中に産卵します。産卵が確認できたら翌年の春まで時々霧吹きでする程度で、他には特に何もしなくても大丈夫です。プラケース内の土が凍らないよう屋内に入れておいた方が良いでしょう。

・春になって暖かくなってきたら霧吹きの回数を多くします。卵から孵ったスズムシの幼虫は非常に小さく、エサ切れ、水切れになるとすぐに死んでしまいます。孵化が確認できたらすぐにエサを与えましょう。幼虫の内は直接容器に水を入れて飲ませるのは難しく溺れて死んでしまうことがあります。スポンジや脱脂綿に水を吸わせたものやエサ用のコオロギの給水器を設置して下さい。

・成長とともに共食いやケンカをするようになるので、大きなケースに移し、隠れ家をたくさん用意してあげてください。エサの不足も共食いの原因になるのでしっかり与えましょう。大きなケースに移す際は、隠れ家になる木片や卵トレーを多めに入れ、隠れ家ごと移動し新しいケースにふるい落とすと良いでしょう。直接触ると幼虫にとっては大きなダメージになります。

大切に育てれば晩夏には成虫になり、美しい声を聴かせてくれるようになります。

スズムシ以外の鳴き虫を飼ってみたいのですが、どのように飼育するのが良いでしょうか?

以下のタイプに分けて飼育環境を用意する必要があります。

・スズムシタイプ
マツムシやコオロギ、小型スズの仲間がこのグループに属します。赤玉土などを敷いたケースに立体的な隠れ家を用意してあげると良いでしょう。地上にいることが多い種なので、定期的に底砂に霧吹きをし、底砂の上に糞や食べ残しが目立ってきたらハケなどで軽く掃除をしてあげると良いでしょう。エサはスズムシやコオロギ用の人工飼料や野菜、煮干しを与え、水切れしないよう水飲みを必ず用意してあげましょう。

・キリギリスタイプ
キリギリスやウマオイ、ササキリなどの仲間がこのグループに属します。風通しの良い大き目のプラケース用意し、ケースの底には新聞などを敷くと良いでしょう。肉食性が強いキリギリスやウマオイは共食いを防ぐためにも1匹づつ単独飼育が良いでしょう。エサは肉食性の強い種には野菜の他にSSサイズのコオロギやミルワーム、砕いたドッグフードを与え、草食性の強いツユムシやクサキリなどは野菜の他にイネ科の植物を与える必要があります。スズムシ同様に水切れしないよう水飲みを必ず用意してあげましょう。土に産卵するキリギリスなどは深めの容器に赤玉土を入れたものをケースに入れてあげると良いでしょう。ササキリ、ツユムシなどはイネ科の植物の根際部分を簡単な鉢植えにして入れてあげれば容易に産卵します。

・カンタンタイプ
カンタン、クサヒバリ、カネタタキなどの仲間がこのグループに属します。体が小さく、壁面を素早く移動できるので脱走されないように十分に注意が必要です。隙間の無いコバエ防止のプラケースや、ネットケージを使用する必要があります。立体的な活動を行うため、段ボール板などの隠れ家を入れ、ケースの底には新聞を敷いてメンテナンスしやすくすると良いでしょう。エサはアブラムシやハチミツをかけた野菜などを好みますが、昆虫ゼリーでも代用可能です。スズムシ同様に水切れしないよう水飲みを必ず用意してあげましょう。以前はエサ、ケージに特殊な物が必要だったために飼育難易度が高い種でしたが、現在ではカブトムシ、爬虫類飼育用の器具を流用することで飼育しやすくなったといえます。産卵には生きた植物が必要になるので、カンタンならキク科植物、クサヒバリならマサキなどの低木の鉢植えを利用します。

スズムシやキリギリスなどの直翅目の飼育の最大のポイントは水飲みを用意してあげることです。小さな容器に水と脱脂綿を入れたもの、イエコ用の水飲みでも構いません。新鮮な野菜を与えることである程度の水分を補給できますが、意外にガブガブと飲むので水切れには十分に注意が必要です。

国産、外国産のカマキリを飼育したいのですが、どのように飼育すればよいでしょうか?

・十分な広さのケージと足場を用意する。
カマキリの仲間は昆虫の中でも体長が大きく空間が必要な種類です。特に脱皮する際は安定した足場が必要で、ぶら下がっても体がプラケースなどに触れないようにする必要があります。

・しっかり水分を与える。
カマキリは非常に多くの水を飲みます。といっても容器などから直接水を飲むことができない為、飼育難易度の高さはここにあるといっても過言ではありません。プラケースの壁面などに霧吹きをして、水滴を飲ませる必要があります。直接カマキリにかかってしまうことがないように十分注意してください。

・活餌をしっかり与える。
以前は適した生餌を確保するのが最大のネックでしたが、現在では爬虫類用のコオロギを利用することが一般的です。サイズごとに用意されているのでカマキリの食べることができるサイズに合わせて選ぶと良いでしょう。食べ残す量を入れてしまうと、コオロギがカマキリの触覚や羽、脚をかじることがあるので食べきれる量を与えましょう。

外国産の種類では湿度や温度の管理も十分注意が必要です。温度管理にはパネルヒーターを使用すると良いでしょう。大きなケージを使う場合は観葉植物の鉢植えなどを一緒に入れておくことで、湿度の維持や立体的な足場の提供が可能になります。

キリギリスやカマキリの緑化型、褐色型は遺伝しますか?

キリギリス等の直翅目やカマキリで見られる緑化型、褐色型の色の違いは遺伝しません。同じ親から生まれた個体でも成長と共に緑化型、褐色型の両方が見られたり、片方しか見られない場合もあります。幼虫の育成環境に影響を受けるものと思われ、一説には湿度や日照が関係するといわれています。キリギリスの場合、孵化後脱皮を繰り返し3令程度までは全て緑化型です。以降脱皮した際に緑化型、褐色型へと別れていきますが、褐色型が途中で緑化型になることはありません。

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