爬虫類ライト特集 | チャーム

爬虫類ライト特集

変温動物である爬虫類は野生下で日光を浴びて体温調節をしたり、紫外線を浴びてカルシウムを吸収し健康を保っています。
しかし飼育するケージ内においては日光はありませんので、市販されている爬虫類用のライトで太陽光の代用を揃えてあげる必要があります。
本特集では爬虫類飼育に主に必要な各ライト3種の役割・使用する生体について爬虫類の飼育を初めてされる方にもわかりやすく説明をしていきます。

バスキングライト

爬虫類は哺乳類のように気温に関係なく体温を一定に保てる「恒温動物」ではなく、周りの気温によって体温が変わる「変温動物」になりますので体温調節ができるようにケージ内に体を温める場所を作ってあげる必要があります。
その役割を担うのがバスキングライトと呼ばれる種類のライトで、ライトが向いている1か所を集中的に温めることが出来ます。
主に昼行性で日光に当たる行為(バスキング)をする種類の爬虫類に必要となります。

設置場所は爬虫類の手の届かない高さで体温調節の為の温度の高低差を作るためにケージの左右どちらかに設置してください。

バスキングライトを必要とする生体チャート表

トカゲ(フトアゴなど)
トカゲモドキ(レオパなど) ×
リクガメ
水棲カメ
夜行性ヤモリ ×
昼行性ヤモリ ×
地表性ヘビ ×
樹上性ヘビ ×
カメレオン
イグアナ
オオトカゲ

紫外線灯

爬虫類は骨・歯・鱗など形成にカルシウムを必要とする体組織が多く、栄養素の中でもカルシウムの摂取がとても重要になります。
カルシウムを体内に吸収するためにはビタミンDが必要となり、ビタミンDは日光に含まれる紫外線に当たることで生成されます。

飼育下で日光に当たる機会が少ない爬虫類はエサのカルシウムを吸収するために必要なUVを照射してくれる紫外線灯を太陽光の代用として浴びてビタミンDを生成しなければならないため、昼行性の爬虫類の飼育には紫外線灯が必要となります。夜行性の爬虫類には不要です。

紫外線灯の強さはW数ではなく、商品名の後に続く「100」や「10.0」という数字によって決まっています。W数は紫外線が照射出来る範囲を決定する要素になります。13Wであれば45~60cmのケージ、26Wであれば60~90cmのケージを目安としてお選びください。各種の生息環境に合わせた紫外線のものを使用しましょう。
下記のチャート表をご参考ください。

紫外線灯は生体の手の届かないように設置し、最低でもライトから30cmほど離れて浴びられるようにしてあげましょう。
また、紫外線灯はあくまで飼育下の爬虫類の為の補助的な紫外線を出すライトに過ぎませんので、時間の取れるときに飼い主さんの目の届く範囲で日陰で休めるところを作りつつ日光浴をさせてあげてください。

※ガラスを通すと紫外線が遮断されてしまいますので、家の中で日光浴する場合は網戸にするか、格子状のケージに入れるなど脱走対策をして浴びさせてください。

紫外線灯を必要とする生体チャート表

トカゲ(フトアゴなど)
トカゲモドキ(レオパなど) ×
リクガメ
水棲カメ
夜行性ヤモリ ×
昼行性ヤモリ
地表性ヘビ ×
樹上性ヘビ ×
カメレオン
イグアナ
オオトカゲ

生体ごとの紫外線灯の強さチャート表

(GEX レプタイルUVBの場合の目安)

トカゲ
(砂漠地帯に生息)
150
トカゲ
(森林地帯に生息)
100
リクガメ 150
水棲カメ 100
昼行性ヤモリ 100
カメレオン 100
イグアナ 100※
オオトカゲ
(砂漠地帯に生息)
150※
オオトカゲ
(森林地帯に生息)
100※

※がついている生体は可能であればメタルハライドランプ(水銀灯)などの出力の大きいものがおすすめです。

保温球

ペットとして飼育できるほとんどの爬虫類は年中温かい熱帯・亜熱帯に生息しており、日本の四季の温度変化には耐えられない為ケージの保温をしてあげる必要があります。
夏の間などはバスキングライトの熱で十分なのですが、晩秋や真冬の季節は全体の保温をしてあげるために点灯する必要があります。
爬虫類用の保温球の多くは赤や青などの爬虫類が見にくい色の光を出しておりますので夜間のバスキングライトを消灯した後も点灯できます。

樹上性のトカゲは保温球に上って火傷をする場合がありますので、十分に生体から離すかケージ外から照射するなどの対策が必要です。

保温球の使用を推奨する生体チャート表

トカゲ(フトアゴなど)
トカゲモドキ(レオパなど) ×
リクガメ
水棲カメ ×
夜行性ヤモリ ×
昼行性ヤモリ ×
地表性ヘビ ×
樹上性ヘビ ×
カメレオン
イグアナ
オオトカゲ
終わりに
爬虫類の飼育でライトを選ぶ場合、野生ではどんなところに生息しているのか調べるのがとても重要です。
紫外線灯の例で言えば野生でカンカン照りの直射日光を浴びるものは紫外線の強いライトを、森林地帯に生息し木漏れ日を浴びるものは少し弱いライトを、というように生息環境に準拠したライト選びが必要となるからです。

爬虫類の生態を調べることも生き物を飼育する楽しみの一環ですので、ぜひ飼育したい・飼育している爬虫類の野生での生態を調べて種類に適した飼育環境を作ってあげてください。